秋の体調不良が82%を超える現実
近年、一般社団法人 起立性調節障害改善協会が実施した調査によると、約82.6%の学生や保護者が秋の季節変化に伴い、朝の起きやすさや体調に変化を感じていることがわかりました。この結果は、気温差や天候変化が自律神経に影響を与え、起立性調節障害(OD)の悪化を引き起こす可能性があることを示唆しています。
調査の背景
季節の変わり目、特に秋は体調を崩しやすく、「朝起きられない」「だるい」といった症状が増加する時期です。著名な症状としては、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、集中力の低下などが挙げられます。今回の調査では、秋の気象条件が体調や日常生活に与える影響をヒアリングし、具体的なデータを収集しました。
調査結果の概要
体調の変化を感じる割合
- - 82.6%が「秋に体調や起きやすさに変化」を体験。
- - 「少し感じる」が60.9%、「とても感じる」が21.7%。
- - わずか3.1%がむしろ体調が良くなったとのこと。
このことから、秋の体調変化は多くの人にとって特別な問題ではなく、一般的な現象であることがわかります。
朝起きられないときの主な症状
最も困る症状としては「だるさ・倦怠感」が31.3%を占めます。続いて「立ちくらみ・めまい」が17.6%、集中力の低下は14.3%、頭痛は11.1%という結果が出ています。これらは身体だけでなく、精神的な不調も影響を及ぼしていることを示しています。
秋に強まる症状はどのようなものか
- 天気が変わりやすい日は23.1%、気温差が大きい日は22.1%の人が症状が強まったと感じています。
- 睡眠不足を感じる人は17.6%、ストレスを感じることが15.8%の人に影響を与えています。
社会的な誤解も
感情的な愚痴として、「親や先生から『怠けている』と誤解された」との経験が約60%にのぼることから、社会の理解不足が依然として問題です。こうした誤解を解くためには、周囲の理解と適切なサポートが必要です。
季節の変化への対応策
調査によると、季節の変化に対処するために、
- - 水分を多くとる: 20.8%が意識。
- - 一定の就寝・起床時間の確保: 20.5%が実施しており。
- - 朝食や寝具の意識: それぞれ15.4%、13.1%と言った結果が見られます。自宅でのセルフケアについても、睡眠時間の確保やメンタルケアに関心が高いことが伺えます。
まとめ
今回の調査から、秋の季節変化が体調や生活リズムに大きな影響を及ぼすことが明らかになりました。起立性調節障害は、単に努力不足からくるものではなく、自律神経の乱れから生じる医学的な疾患です。これに伴い、日常生活におけるリズムの整えや、体温管理が重要視されます。周囲の理解を深め、本人が安心できる環境を整えることが求められます。
代表理事のコメント
一般社団法人 起立性調節障害改善協会の代表理事、竹田浩一氏は、「秋は自律神経が乱れやすい季節。誤解されやすい疾患ですが、正しい理解が非常に重要です。無理をせず、症状を理解した上でサポートしていくことが大事です」と述べています。
このように、秋の訪れと共に多くの人が体調に悩まされています。理解の深まる社会が必要です。