日本の物流業界を革新する新たな試み、コンソーシアムbatonが始動

2024年11月13日、物流コンソーシアムbatonが11法人の協力により発足しました。このコンソーシアムは、日本の物流業界に革新をもたらすことを目的としており、特に企業横断型の中継輸送の実証運行を2026年2月より開始する予定です。長時間トラックを運転するドライバーへの負担軽減や、日帰り運行の実現に向けた取り組みとして提案されたこの試みは、業界のニーズに大きく応えるものとなります。

1. batonの発足とその背景

batonの設立は、2024年4月に施行された働き方改革関連法の影響を受けたもので、トラックドライバーの労働時間に関する制限が課せられたことにより、長距離運行の見直しが急務となっています。ドライバー不足に直面する中、効率的な物流の実現が求められています。batonは、こうした現状を踏まえ、企業間の連携による新たな輸送手法、「企業横断型中継輸送」に着目しました。

2. 中継輸送の効率性

batonに参加する物流事業者は、約13,000便に及ぶ運行データを収集・分析し、全国の幹線ルートにおいて中継輸送の導入を検討しています。この取り組みは国内初の試みであり、中継輸送を通じて物流の効率性向上を図ることを目指しています。具体的には、ドライバー交替方式を採用し、一台の車両が複数の企業の運転手によって運行されるシステムを導入します。これにより、貨物の積み替えが不要になり、作業時間が短縮されることが期待されています。

3. 実証運行の概要

この中継輸送の実証運行は、2026年2月から2か月間、具体的には西濃運輸と福山通運、名鉄NX運輸とトナミ運輸の二社間で行われます。バトンが定めた「リスク負担ガイドライン」に基づき、運行の1連のプロセスを検証し、どのような課題が発生するかを積極的に見極めます。これを通じて、実務上の問題点を洗い出し、さらなるルール明確化や運営体制の強化を進めていく予定です。

4. 今後の計画と展望

batonは、実証運行を通じて得られた知見をもとに、対象路線の拡大や共通データベースの構築を検討しています。また、複数の輸送便を組み合わせるアルゴリズムの開発や各事業者向けの専用アプリケーションの導入も計画中です。加えて、ドライバーの労務環境や健康促進に向けた新たな取り組みも進めていく予定です。企業や業界を超えて価値を共創できる環境を整えるために、複数の分科会も活動を開始する見込みです。