シリアの子どもたちへの心のケアを進めるプロジェクトが始動

シリアの子どもたちへの心のケアプロジェクトがスタート

NPO法人Piece of Syria（代表：中野貴行）による、シリアの子どもたちへの心のケアプロジェクトが、12月13日より緊急支援のためのクラウドファンディングを開始します。このプロジェクトは、長年続いた戦争や被災によって影響を受けたシリア北部アレッポの6〜14歳の子どもたち、約400名を対象としています。

政治情勢の変化と人道的支援

12月8日、シリアの反政府勢力が首都ダマスカスを制圧し、アサド政権が崩壊しました。これにより、シリアの平和に向けた動きが始まるものの、依然として治安や人道的状況は不安定です。多くの人々が帰還を試みていますが、支援が必要な場面は少なくありません。これまでにも2016年からシリア北西部での活動を続けてきたPiece of Syriaは、約5万人の子どもに教育の機会を提供してきました。

心のケアの必要性

今回のプロジェクトは、過去の活動から得た経験を活かし、特に学校に復帰するための心理ケアに重きを置いています。対象となる子どもたちは、心理的な支援を通じて学校復帰への道を開くことが目指されています。具体的には、専門のメンタルケアスタッフが2チームに分かれて、アレッポ市内及び郊外の10カ所を巡回し、心のケアに関連したアクティビティを実施します。

プロジェクトの費用と運営体制

このプロジェクトの総予算は100万円で、内訳としてはスタッフの人件費や交通費が含まれています。心理ケアの専門家は、過去にメンタルヘルスセンターの所長を務め、心理カウンセリングの修士号も持つ方が参加します。また、現地スタッフは過去の地震時における活動で75%の子どもが学校に復学した実績があります。このため、今後も同様の成果を目指しています。