画期的なチョウザメの雌雄判定方法を開発したプラントフォームの挑戦
新潟県長岡市に本社を置く株式会社プラントフォームは、持続可能な食料生産システムの構築を目指し、業界の常識を覆す新しいチョウザメの雌雄判定方法を発表しました。この革新的な技術は、今後の養殖業界に大きな影響を与えることでしょう。
雌雄判定の重要性と課題
チョウザメは、その卵が高級食材として知られるキャビアの原料として非常に重要な魚です。したがって、養殖過程においては雌雄の区別が極めて重要です。しかし、チョウザメは外見上の雌雄差が不明瞭であり、従来の方法では「開腹法」によって判別されてきました。この方法は魚にとって大きなストレスを与え、作業者にとっても肉体的・精神的な負担が伴います。
新しい方法の発見
株式会社プラントフォームは、従来の方法に代わる低侵襲な技術として、DNA検査法を用います。この技術によって、性染色体に基づく雌雄判別が可能になりました。この過程で、チョウザメ特有の鱗に雌雄差があることが発見され、これを活用する新たな雌雄判定方法の開発が進められました。
研究の実施内容
同社のアクアポニックスプラントで養殖しているチョウザメの成魚から、DNA検査法で雌雄を確認した後、背中の硬鱗を撮影しました。撮影した画像を解析し、鱗の測定データを収集。その結果、いくつかの指標で統計的に有意な雌雄差が確認されました。この結果を基に、目視による判別も試みられ、複数の指標を組み合わせることで雌雄を区別できる可能性が示されました。
今後の展望
この新技術は、従来の難題を解決するものであり、開腹を伴わない非侵襲的な手法として評価されています。これにより、チョウザメ養殖のアニマルウェルフェアが向上し、より持続可能なアプローチが確立されるでしょう。今後は、さらなる精度向上を目指し、AIによる画像診断技術の導入も視野に入れています。
学会発表の詳細
この成果は、2025年に開催される「令和7年度日本水産学会春季大会」で公表される予定です。発表日程は3月27日(木)13:15〜14:15で、榎康明氏と加野北斗氏が講演を行います。詳細は学会での発表をお待ちください。
プラントフォームのビジョン
プラントフォームは、アクアポニックスによる新しい食料生産モデルを確立することを目指しています。植物工場型アクアポニックスの開発と運営を行い、安心・安全な農水産物を「いつでも、誰でも、手に届く価格で提供する」社会の実現に向けて邁進しています。
具体的には、アクアポニックスプラントの設計から運営支援、有機野菜の生産と販売、キャビアの製造など、多岐にわたる事業を展開。現在、全国に6ヶ所のプラントを展開しており、さらなる拡大を図っています。代表の山本祐二を筆頭に、持続可能な食料生産の未来を切り開いていく所存です。
株式会社プラントフォームへの問い合わせは、技術本部までご連絡ください。連絡先:info@plantform.co.jp、電話番号:0258-86-8460。
詳しい情報は、
株式会社プラントフォームの公式サイトをご覧ください。