XR技術で進化する市民参加型まちづくり
2024年度の国土交通省が推進するProject PLATEAUのユースケース開発において、株式会社ホロラボが新たに参画し、XR技術を活用した「市民参加型まちづくり」を推進していくこととなりました。このプロジェクトでは「torinome」と呼ばれるデジタルツインを運用し、多くの市民が積極的にまちづくりに参加できる環境を整えることを目指します。
プロジェクト概要
ホロラボは、株式会社日建設計および日建設計総合研究所と共に、本プロジェクトに共同提案を行い採択されました。これにより、昨年度の実証結果を基に、地方公共団体が運用するデータ連携基盤と市民参加のオンラインツールを接続し、より効果的な市民参加を促進します。これにより、持続的なまちづくりの実現が期待されています。
プロジェクトの背景
本プロジェクトは、人口減少が進む現代において、地方公共団体や地域住民が協力し、将来のまちを考えるための重要な取り組みです。従来の市民参加型ワークショップでは、専門家と一般市民の間で情報の非対称性や年代の偏りが問題となっていました。そこで、ホロラボではXR技術を導入し、直感的な操作で議論が出来る場を設けることにしました。
2022年度には、八王子市において3D都市モデルとXR技術を組み合わせた市民参加型ワークショップを実施し、多くのコメントが集まりました。この経験を経て、2023年度には広島市でのトランジットパーク化の実証プロジェクトを実施。ここでも好評を博しましたが、運営側の負担やユーザビリティといった課題が残されていました。
新たな取り組み
2024年度のプロジェクトとしては、ワークショップ開催前後のコミュニケーションの改善に特に注力し、Decidimという市民参加オンラインツールを導入。このツールは、行政と市民の円滑なコミュニケーションを促進する役割を果たします。また、加古川市が日本で初めてこのツールを運用しており、将来的には市民の意見をより反映できる仕組みを構築します。
さらに、オープンソースのデータ連携基盤「FIWARE」を活用し、データの有効利用を図りながら、デジタルツインを通じて市民と運営者間の共創を促します。これにより、市民が自身の意見をワークショップに反映できる新しいまちづくりの形を実現していきます。
実現したい価値
本プロジェクトの目的は、従来型のまちづくりとは異なり、市民が直接意見を述べ、反映される環境を整えることです。従来は、紙媒体での告知や意見の集約が中心でしたが、デジタルツールを活用することでその流れを効率化し、透明性を持って進めていくことが可能となります。最終的には、市民を主体としたまちづくりの実現を目指します。
まとめ
ホロラボの提案するXR技術を活用した市民参加型まちづくりは、未来の都市像を描く新しい可能性を秘めています。このプロジェクトを通じて、市民が自らの意見を形にし、協力して地域づくりを進めていく姿が期待されます。これからの取り組みに対する注目が高まります。