次世代の補助犬を考える: 大阪での学術大会の意義と取り組み

次世代の補助犬を考える学術大会

2025年1月11日と12日に大阪府の四条畷学園短期大学で行われた日本身体障害者補助犬学会第16回学術大会は、補助犬の未来を探る重要な場となりました。今年のテーマは「次世代の補助犬について考える～人と犬との相互作用の構築に向けて～」。

会場では研究者や実務者による様々なシンポジウム、演題発表、教育講演が行われ、多岐にわたるトピックが掘り下げられました。特に、一般社団法人日本介助犬協会の職員2名が行った演題発表では、補助犬同伴の受け入れ状況に関する調査結果や、同協会が実施しているパピー育成プログラムの詳細が紹介されました。

また、協会理事長の高柳氏が座長を務めるペット防災に関する教育講演や、海外の取り組みを学ぶ国際シンポジウムなども盛り込まれ、参加者たちは補助犬がどのように人々や社会に貢献できるかを見つめ直す機会となりました。休憩時間中には、介助犬デモンストレーションも開催され、参加者は実際の補助犬の作業を目の前で見ることができました。

新たな取り組み「ほじょ犬のひろば」

今年の学会は、「ほじょ犬のひろば」との初コラボレーションが実現しました。1月11日(土)に行われたこのイベントは、学会会場近くのもりねき広場で開催され、多くの市民が参加しました。

イベントでは、補助犬のデモンストレーションが行われ、各団体からのブース出展やクイズラリーも盛況でした。市民たちは補助犬の重要性やその役割について理解を深める良い機会となったようです。

介助犬の役割とは

介助犬とは、手や足に障がいのある人々の日常生活をサポートするために特別に訓練された犬です。落とした物を拾い上げたり、ドアを開けたり、携帯電話を届けたりと、重要なタスクをこなします。2024年9月末のデータによると、現在活動中の介助犬はわずか60頭で、その需要は15,000人にものぼるとされています。これは介助犬が必要な人々に対して数が非常に不足していることを示しています。

日本介助犬協会の取り組み

社会福祉法人日本介助犬協会は、愛知県長久手市と神奈川県横浜市を拠点に、全国規模で介助犬の普及を目指しています。協会は、犬の個性を活かしたさまざまな活動にも力を入れています。特に「Dog Intervention®」という活動を通じて、動物介在活動や療法、虐待や性被害にあった子どもたちを支援する付添犬の事業、発達障害や知的障害を持つ方のための犬の譲渡に関する「With Youプロジェクト」も行っています。

今後も補助犬の活動は進化し続け、より多くの人々をサポートすることが期待されています。補助犬の役割を再認識し、共生社会の実現に向けた取り組みがますます重要となっていくでしょう。