障害者雇用における実態と希望のギャップを解消するための調査
障害者の雇用に関する課題が再び注目を浴びています。パーソルダイバース株式会社が実施した「はたらく障害者の就業実態・意識調査2025」では、障害者が求める雇用形態と実際の状況との間に大きなギャップがあることが明らかになりました。この調査では、約8割の障害者が正社員としての雇用を希望しているにもかかわらず、実際に正社員として働いている者はわずか4割に留まっています。これは、現行の制度や企業の状況を反映していると言えるでしょう。
調査の背景
パーソルダイバースは、人材サービスを広く展開する企業グループの一員として、障害者の雇用支援に力を注いでいます。調査の目的は、障害者が直面する就業環境の現状を分析し、今後の改善に向けた情報を得ることです。厚生労働省のデータによれば、障害者の雇用が増加する中で、就職活動を行う障害者の多くが希望する職種や雇用形態に対する現実的なニーズは、ますます大きくなっています。
主な調査結果
1.
正社員希望者の多さ
調査に参加した障害者の約80%が正社員を希望しています。しかし、実際の正社員の雇用割合はわずか45%にとどまるという現実があります。特に、ハローワークにある障害者雇用の求人情報を見ても、正社員の求人は全体の10%に満たず、求職者の希望と市場の実情との差が顕著です。
2.
短い勤続年数
また、障害者の勤続年数を見てみると、68.1%の人が「5年未満」であることが過半数を占めています。このデータは、多くの障害者が長期的に雇用されることが難しい状況にあることを示しており、職場での定着率や企業のサポート体制に問題があることが考えられます。
3.
在宅勤務の割合
就業場所の選択肢に注目すると、在宅勤務を行っている障害者は約30.2%に達しています。この数字は、全労働者の在宅勤務割合(24.6%)よりも高く、特に障害者雇用枠では在宅勤務率が35%に達しています。多様な働き方が進みつつある中、障害者にとっても選択肢が広がりつつあることが見て取れます。
今後の展望とパーソルダイバースの取り組み
調査結果を受けて、パーソルダイバースは障害者が希望する働き方を実現するために、キャリア形成や長期雇用を視野に入れた支援体制を強化するとしています。具体的には、障害者のための転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」を通じて、就業環境の改善、そして個々のキャリアをサポートし続けるという方針です。
特に新卒や第二新卒向けの支援、さらにはハイキャリア向け求人の提供や、リスキリング支援にも力を入れています。経験豊富なキャリアアドバイザーが伴走し、求職者の強みを引き出すことが、長期的な雇用に繋がると考えています。実際、入社半年後の定着率は95%を達成しており、これは高い成功率と言えるでしょう。
結論
障害者雇用の現状には、多くの課題が残されていることが本調査で明らかになりました。しかし、パーソルダイバースはそのニーズに応え、より良い雇用環境の実現に向けた取り組みを続けています。障害のある方々がより自由に、多様な選択肢の中で働ける未来に向けて、引き続きサポートを行っていくことでしょう。