CanCamが女性ヤング誌売上No.1!Z世代を射止めた戦略とは?
2024年上半期、女性向けファッション誌『CanCam』が、女性ヤング誌ジャンルで販売部数1位を獲得するという快挙を成し遂げました。
ABC協会の発表によると、2024年1月~6月における月間平均販売部数は39,840部。これは前年同期比123%超という驚異的な伸び率です。
一体、この成功の秘訣は何なのでしょうか?
Z世代の心を掴む、大胆な戦略
『CanCam』の成功要因は、ズバリ「Z世代への徹底的なアプローチ」です。
まず挙げられるのが、表紙への戦略的なタレント起用です。
8月号の増刊号「CanCam Special版」では、人気2.5次元アイドルユニット「すとぷり」を表紙に起用。これは『CanCam』史上初のイラスト表紙であり、SNSで先行公開されたイラストは1.7万いいねを集めるなど、大きな話題となりました。
さらに、10月号からはSNS総フォロワー数500万人超えのインフルエンサー、中町綾さんを専属モデルに起用。YouTuberの専属モデル起用は『CanCam』史上初であり、その発表は大きな反響を呼びました。
これらの大胆な試みは、従来の『CanCam』読者層だけでなく、新たな層を取り込むことに成功したと言えるでしょう。
Web戦略とイベントの相乗効果
雑誌だけでなく、Web戦略も成功の大きな要因です。
公式サイト「CanCam.jp」は、2024年7~9月の月間UU数が4,219,345を記録。競合他誌を圧倒する数字で、14ヶ月連続でトップの座を守っています。
さらに、『CanCam』は「韓国コスメイベント」や「CanCamナイトプール」といったリアルイベントも開催。読者と直接触れ合うことで、リアルな声をコンテンツ制作に反映しています。
編集長のコメントから読み解く、CanCamの強み
『CanCam』ブランド室編集長の加藤真実さんは、その成功要因について次のように語っています。
「話題の人物表紙だけが好調の要因ではありません。ファッション・ビューティ企画においても、直感的なエモいビジュアルと、的確なトレンド提案が新規読者にも響いています。中町綾さんの専属モデル起用への反響の大きさに、若い世代からの共感を得られたことを実感しました。」
「エンタメ×ファッション・ビューティのブリッジ企画も得意分野のひとつです。雑誌、Web、ソーシャル、イベントと多様な媒体を駆使し、読者との接点を保ちながら、リアルな声を基盤としたコンテンツ作り、および、ソーシャルでの発信力強化を目標に掲げています。」
まとめ:変化に対応し続ける『CanCam』の未来
『CanCam』の成功は、変化の激しい時代において、Z世代のニーズを的確に捉え、多様な媒体を駆使した戦略を展開した結果と言えるでしょう。
読者との接点を大切にし、リアルな声を反映しながらコンテンツ作りを行う姿勢は、今後の雑誌業界においても重要な指標となるはずです。創刊43周年を迎える『CanCam』の今後の活躍に期待しましょう。