七十七銀行が三菱総合研究所のAIサービスを導入
概要
2024年1月27日から、七十七銀行が三菱総合研究所(MRI)が開発した「審査AIサービス」を実務に導入します。このサービスは、住宅ローン審査業務を自動化し、効率化を図ることを目的としています。特に、七十七信用保証株式会社が扱う住宅ローンにおいて、審査業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める役割を果たします。
導入の背景
七十七銀行とMRIは2023年1月から、この新たな審査AIサービスの導入に向けた取り組みを行ってきました。2023年10月には、システム開発と受入テストが進められ、AIモデルの判別精度の評価が順調に行われました。その結果、サービス稼働率は100%、平均応答時間は1秒以内と、優れた安定性と性能が確認され、実務への適用が決定しました。このシステムの導入により、住宅ローンの案件の50%が自動で、リアルタイムに承認される見込みです。
審査AIサービスの特徴
この審査AIサービスは、従来の人間による審査に代わり、学習したAIモデルを活用して融資の可否を判断します。具体的には以下のような特徴があります。
1. 審査のスピードと効率性
- - AIは、提出されたローン案件の承認確率を算出し、これに基づいて業務フローを制御します。これにより、約50%から80%の案件は人間の審査を介さずに即座に承認される仕組みです。
- - 応答のスピードが向上することで、顧客の離脱を抑制し、顧客満足度を高めます。
2. 安定した判断力
- - AIモデルは必要な情報を基に、各金融機関のクレジットポリシーを再現します。これにより、安定した審査が実現しデフォルト率の低減も期待されます。
3. コスト効率と保守性
- - MRIの審査AIシステムはAPIを使用して金融機関のローン審査システムと連携します。そのため、大規模な改修を必要とせず、比較的低コストで導入できます。また、AIモデルのモニタリングやメンテナンスも容易で、保守性が高いことが特徴です。
幅広い導入実績
七十七銀行以外にも多くの金融機関にこのAIサービスが導入されており、無担保ローンやカードローンなど、さまざまなローン商品に対応している実績があります。これにより、審査業務の効率化と高度化が進み、業界全体に革新をもたらすことが期待されています。
今後の展望
MRIは、このAIサービスの提供を通じて、さらなる性能向上やユーザビリティの改善を図り、審査業務のDX推進を加速させる計画です。AI技術の進化により、これからの金融業界はますます効率化され、顧客にとっても利便性の高いサービスが提供されることが期待されます。
このように、新たなテクノロジーの導入が進む中、七十七銀行の選択は、未来の金融サービスを先取りする重要な一歩となるでしょう。