オラクルが世界初のゼタスケールクラウドを発表、AIの未来を切り開く
オラクルが業界初のゼタスケールクラウドを発表
2024年9月13日、オラクルはラスベガスで開催されたOracle CloudWorldにおいて、世界初となるゼタスケールのクラウド・コンピューティング・クラスタを発表しました。この新しいシステムは、NVIDIAのBlackwellプラットフォームに基づき、高速でスケーラブルなAIインフラを実現しています。この発表により、オラクルはAI技術の分野での重大な進展を遂げ、お客様へ新たな価値を提供する準備を整えました。
スケーラビリティとパフォーマンスの新境地
新たに登場した「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」は、最大で131,072基のNVIDIA Blackwell GPUを搭載でき、従来のスーパーコンピュータとは桁外れの性能を誇ります。具体的には、ピーク性能で2.4ゼタFLOPSを達成しており、これは以前のOCIが提供していたスーパーコンピュータの性能を大きく上回ります。たとえば、最先端技術を持つFrontierスーパーコンピュータと比較しても、3倍以上のGPU数を搭載できるため、より効率的なデータ処理が可能となるのです。
OCI Superclusterの特長
OCI Superclusterは、NVIDIAの最新GPUであるH100およびH200 Tensor Core GPUのいずれかを選択して構成することができます。H100 GPUを使ったスーパーコンピュータは最大16,384のGPUで65エクサFLOPSを実現し、H200 GPUを搭載した場合には65,536のGPUで260エクサFLOPSに及ぶ性能を発揮します。さらに、これらのシステムは超低レイテンシの通信技術RoCEv2やNVIDIA Quantum-2 InfiniBandを使用し、データ転送速度も飛躍的に向上しました。
AI技術の企業への応用
この新しいAIスーパーコンピュータは、さまざまな企業からの期待を集めています。たとえば、ブラジルのAIスタートアップ「WideLabs」は、OCI上で最大のポルトガル語LLM(大規模言語モデル)の開発を行っています。自社のアプリケーション「bAIgrapher」を通じて、アルツハイマー病患者の思い出を大切にするためのコンテンツを生成する取り組みを進めています。WideLabsは、データのプライバシーと主権を確保するため、Oracle Cloudブラジルサンパウロリージョンで全てのデータを処理しています。
Zoomもまた、オラクルのソブリンAI機能を活用し自社の製品である「Zoom AI Companion」を支えるためにOCIを利用しています。これにより、ユーザーは首尾一貫した生成AI体験を享受し、業務の生産性向上に貢献しています。ZoomのAI担当者Bo Yan氏は、OCIのAI推論機能がもたらす低レイテンシな結果に感謝の意を示しました。
AIの未来を見据えて
NVIDIAのIan Buck氏は、企業や国家がAIを活用するためには強力なコンピューティングインフラが必要だと語ります。オラクルとNVIDIAの協力により、これまでにない大規模なAIコンピューティングが実現可能になることが期待されます。各業界の研究開発が加速し、AIの導入が促進される中、OCIの存在感は一層大きくなるでしょう。
今回の発表により、オラクルはAI分野でのリーダーシップを強化し、企業への支援体制を一層充実させています。これからのAI技術の進化は、私たちの日常やビジネスモデルを大きく変える可能性を秘めています。ぜひ、今後の展開に期待しましょう。
会社情報
- 会社名
-
日本オラクル株式会社
- 住所
- 東京都港区北青山2-5-8オラクル青山センター
- 電話番号
-
03-6834-6666