初の特集号「全身写真家。森山大道」
新潮社から2026年6月25日に発売される「芸術新潮」7月号は、特集として森山大道をフィーチャーした特別号です。この号では、戦後日本の写真史を象徴する写真家である森山大道の生涯を、初の評伝本を執筆した著者、大竹昭子が解説します。63ページにもわたる大特集で、世界が注目する森山の魅力に迫ります。
森山大道(1938年生まれ)は、1990年代にスランプを乗り越え、若者たちに熱烈に支持されるようになりました。彼の作品は、アレ、ブレ、ボケといった特徴を持つ黒々とした焼き込みが魅力で、その作品には「昭和感」が溢れています。2000年代以降は海外での展覧会や写真集も多く発表され、2019年には「写真界のノーベル賞」とも称されるハッセルブラッド国際写真賞を受賞しました。
特集の冒頭では、パリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団で開催中の森山大道展についての撮りおろしグラフも掲載しています。この展覧会は2023年の5月から始まり、10月まで開かれることになっています。
大竹昭子の新著と森山大道の生涯
大竹昭子が6月24日に刊行した『写真があってよかった。森山大道伝』は、彼女が森山と30年以上にわたる親交をもっている中で執筆されています。大竹は過去に「芸術新潮」の連載で森山にインタビューを行った経験があり、彼女にとって森山は特別な存在です。大竹は、「森山大道の写真を辿ることは、日本の戦後写真史を語ることに等しい」と語ります。
森山の写真の魅力とは?
森山の作品は、どのようにして世界中の人々から愛されるようになったのでしょうか?それを探るには、今回特別に寄稿を行ったブラジル人キュレーターのチアゴ・ノゲイラが語っています。彼は、森山の作品がどのように写真を欧米のエリート主義から解放することに寄与しているのか、という視点からその魅力を解き明かします。
ノゲイラの言葉によると、森山の写真は一見、個人的な関心に基づいて制作されているように見えますが、実際には「水平な視線」で様々な事象を捉えています。彼の作品の中に見える政治的な要素も、その影響を与えていると言えます。
「芸術新潮」とその歴史
「芸術新潮」は1950年に創刊された雑誌で、美術を中心に多様な文化を扱っています。その特集記事は、毎回一つのテーマを深く掘り下げ、読者の日常生活に豊かさを提供することを目指しています。森山大道特集は、その試みの一環として、現代の視点から日本の写真界を再考する良い機会となるでしょう。
詳細な情報は公式サイトをご覧ください。
芸術新潮公式サイト