現場で体感!移動式安全体感施設「Kajima Safety Caravan」の運用開始
建設業界を牽引する鹿島建設株式会社(社長:天野裕正)は、工事現場従事者の安全意識と危険感受性の向上を目指し、移動式の安全体感施設「Kajima Safety Caravan」(カジマセーフティーキャラバン)の運用を開始しました。
「Kajima Safety Caravan」は、全国各地の工事現場に赴き、鹿島の社員や協力会社の技術者・技能者を対象とした様々な安全体感訓練を実施します。VRや体感装置を用いた実践的な訓練を通じて、現場での安全意識向上と危険回避能力の強化を目指します。
導入の背景:安全意識向上のための新たな取り組み
建設現場において、安全は最も重要な要素です。鹿島は長年、安全設備の改善やルール作りに取り組んできた結果、建設業における労働災害発生件数は30年前と比べて大幅に減少しました。しかし、現場で実際に労働災害に遭遇する機会が減ったことで、従事者の危険感受性が低下しているという課題も浮上しています。
そこで、鹿島グループでは、これまで教育訓練施設において、若手社員向けの安全体感訓練を対面式の集合研修で実施してきました。しかし、現場で働く多くの協力会社の技術者・技能者が、全国から集まって研修を受けることは現実的ではありませんでした。
「Kajima Safety Caravan」は、こうした課題を解決するために導入されました。現場を離れることなく、安全体感訓練を受講できる環境を提供することで、より多くの現場従事者の安全意識向上を目指しています。
「Kajima Safety Caravan」の概要:現場に合わせた“オーダーメイドの訓練”
「Kajima Safety Caravan」は、中型トラックをベースにした訓練専用車両です。労働災害防止に効果的な9種類のコンテンツを搭載しており、訪問先の工事現場で車両荷台のウイング扉を展開することで、約10m四方の訓練スペースを構築します。
搭載されているコンテンツは、安全帯ぶら下がり体感装置、VR危険体感装置、感電・過電流・トラッキング・短絡体感装置など、現場で起こりうる様々な危険を疑似体験できるものです。訓練カリキュラムは、対象者の担当工種や経験年数を考慮し、9種類のコンテンツの中から複数を選択して組み合わせることで、半日コースから1時間コースまで“オーダーメイドの訓練”が実施可能です。
今後の展開:全国展開で安全意識向上を推進
導入初年度は、主に首都圏の工事現場を対象に運用されます。来年度以降は全国各地に展開し、より多くの現場従事者が安全体感訓練を受講できる環境を提供していく予定です。
鹿島は今後も、労働災害の根絶を目指し、様々な取り組みを通じて現場の安全文化向上に貢献していきます。