新たな時代の怪異・妖怪研究
日本文化に根ざした怪異や妖怪の研究が、新たな時代を迎えようとしています。河出書房新社は、小松和彦氏の監修による新シリーズ「怪異・妖怪学コレクション(全6巻)」を2025年4月30日から刊行開始します。この新しいコレクションには、2000年以降に発表された鮮やかで興味深い論考が収められており、怪異・妖怪研究の最前線を知るには必読の一冊となっています。
過去のシリーズ「怪異の民俗学」
この新シリーズは、2000年から2001年にかけて小松和彦氏が編集した「怪異の民俗学」(全8巻)の四半世紀後に登場します。このシリーズは、古典的な文献に加え、民俗学、文化人類学、国文学、社会学、精神病理学など様々な分野から重要な論考を集めたもので、特にその独自のテーマ立てが話題を呼びました。第1巻には「憑きもの」や「鬼」など、さまざまな怪異・妖怪のコンセプトが取り上げられました。この作品は2022年に新装版として再刊行され、多くの読者から支持を得ています。
新たな研究成果を集めた論考集
「怪異・妖怪学コレクション」は、怪異・妖怪に関する研究がこれまでの枠を超えて進展したことを受け、特に学際的アプローチやデジタル化の影響が顕著な研究の成果が集大成されています。数々の興味深い論考は、単なる学術的価値を超え、読者にとっても面白く、日本文化の奥深さを伝えるものとなるでしょう。
第一回配本の特集内容
本シリーズの第一作では、廣田龍平氏と安井眞奈美氏が編集を担当し、妖怪の定義や多様性、そして国際的な視点からの比較研究に焦点を当てています。この巻には、妖怪の概念の深化や、聴覚と怪異現象に関する考察が含まれ、読者は幅広い視野から怪異・妖怪を鑑賞することができます。
小松和彦氏の監修による言葉
小松和彦氏は、本シリーズへの監修文で、過去25年間の研究の進展に触れ、妖怪への関心が高まる中での研究の重要性を語っています。「怪異・妖怪を文化として捉える視点が重要であり、デジタル化の新しい環境への対応も進んでいる」と述べています。この新シリーズは、未来の怪異・妖怪研究を切り拓く先駆けであり、今後の発展にも期待が寄せられています。
今後の刊行ラインナップ
今後の刊行予定としては、以下のようなテーマが続きます:
- - 5月:「歴史のなかの怪異・妖怪」
- - 6月:「怪異・妖怪の博物誌」
- - 7月:「文芸のなかの怪異・妖怪」
- - 8月:「娯楽としての怪異・妖怪」
- - 9月:「現代を生きる怪異・妖怪」
各巻がどのような知見を提供するのか、期待が高まります。学際的なアプローチを取り入れたこのコレクションは、謎多き日本の怪異と妖怪研究に新たな光を当てることでしょう。
書誌情報
- - シリーズ名:怪異・妖怪学コレクション
- - 書名:1怪異・妖怪とは何か
- - 監修:小松和彦
- - 編者:廣田龍平、安井眞奈美
- - 仕様:四六変型判/並製/352ページ
- - 初版発売日:2025年4月30日
- - 定価:3300円(本体3000円)
- - ISBN:978-4-309-71481-3
ブックレビューや書籍購入は、
ここから確認できます。