高齢者への偏見をなくし日本を再生する提言
2026年2月2日、精神科医・和田秀樹氏の新刊『「高齢者ぎらい」という病』が発売される。この書籍は超高齢社会の日本における「高齢者ぎらい」という病について鋭く分析し、高齢者と社会の関係性を問い直す重要な一冊である。
和田氏は、30年以上にわたり高齢者医療の現場に関わり、多くのデータや現場の声に基づいて書籍を執筆している。本書では、高齢者が「悪」という偏見に満ちた目で見られる現状を取り上げ、それがどのように社会に影響を与えているかを考察している。
高齢者=悪という偏見
「高齢者=悪」という考え方は、何も新しいものではない。年金支給の問題や医療費の増加、運転免許の返納といった話題が絡み合い、社会は高齢者を負担とみなす風潮が広がっている。しかし、和田氏はそれを単なる世代間の摩擦と見なさず、社会全体が抱える病理として捉えている。
本書の第1章では、「高齢者の運転=危険」とする世間の印象操作がどのように行われているか解説。高齢者の運転する自動車が危険視される一方で、公共交通機関の不便さや高齢者が抱える問題に目を向けることは少ない。これが一体どのように偏見を助長しているのか、和田氏は鋭く指摘している。
経済面での貢献
第2章では、高齢者が医療界や国の政策によって尻拭いをさせられる様子を取り上げている。高齢者は単に経済的な負担と見なされがちだが、和田氏はその豊かな経験や知識が経済の発展にも寄与していることを強調する。特に、高齢者には長年の労働経験や知恵があり、その力を活かさない手はないという点に着目している。
高齢者の権利と自由
また、第3章では日本社会の高齢者に対する人権無視がどのように蔓延しているかを述べる。和田氏は、偏見をなくし高齢者の自由を尊重することこそが、国全体の利益になると警告している。特に、人間としての尊厳を守ることが、全ての世代にとって大切であることを伝えたいのだ。
少子高齢化の真実
続く第4章では、少子高齢化が経済に与える効果について議論されている。多くの人が少子高齢化を責めるが、その原因や解決策について深く考えることが求められている。この章でも、和田氏は現状を憂いながらも希望を持ち続ける重要性を強調している。
日本再生の鍵
そして最終章、第5章では和田氏が提言する日本再生の鍵として、高齢者が握っていることを述べ、さらなる希望を提示している。「高齢者が幸せになれる国」こそが、真の意味での日本の再生につながるというメッセージは、強く響く。本書を通じて、我々が抱える「高齢者ぎらい」という病を克服し、共に生きる社会を実現するためのヒントを得ることができる。
著者紹介
和田秀樹氏は、東京大学医学部を卒業後、精神科医としてキャリアを築いてきた。高齢者専門医療の第一人者として、社会における高齢者の役割を再考させる重要な位置づけにある。著作も多数あり、その一つ一つが高齢者医療の重要性を訴えている。
日本社会が抱えている「高齢者ぎらい」という病の正体を知り、私たち一人ひとりがどう向き合っていくべきかを考えるきっかけとなるこの新刊。ぜひ手に取ってみてほしい。全ての人が幸せに共存できる社会の実現に向けて、一歩を踏み出す道を見出したい。