ブッククラブの実態と世代を超えた交流の魅力
近年、ブッククラブが新たな交流の場として注目を集めています。特にZ世代と70代のシニアが参加するブッククラブは、世代を超えた交流を生み出す重要な場となっています。オシロ株式会社が行った調査によると、約63%のブッククラブでは参加者の年齢差が20歳以上あることが判明しました。これは、一般的な読書活動が年齢層に偏りがちである中で、ブッククラブが持つ特異な魅力を浮き彫りにしています。
世代を超えた交流が生まれる背景
米国において、孤独は深刻な健康課題とされており、公衆衛生局長官のビベック・マーシー氏もこの問題を指摘しています。その中で、ブッククラブは孤独を癒し、世代を超えた交流を促進する一つの手段とされています。これにより、参加者同士の感情や意見が交わり、多様な価値観が育まれるのです。
調査概要
【調査対象】
- 開催されたブッククラブ数:566件
- 参加者総数:1376名(20歳以上)
- 期間:2024年6月22日〜2025年6月23日
- 分析機関:自社調査
この調査から、ブッククラブの参加者は若年層から高齢者まで幅広い年齢層で構成され、参加者の最大年齢差は56歳にも達します。これにより、異なる世代が共通のテーマである『本』を通じて交流することが可能になっています。
具体的なブッククラブの事例
文学の森
平野啓一郎さんがナビゲーターを務める『文学の森』では、短篇小説『鏡と自画像』の読書会が開催されました。20代から70代の幅広い年齢層から95名が参加し、作品の解説と感想交換を通じて深い交流が生まれました。「思い切って参加して良かった」との感想も充実した時間を示します。
flier book labo
次に、本の要約サービスを提供する株式会社フライヤーによる『flier book labo』での読書会です。30代から60代の22名が集まり、三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』を題材に意見を交わしました。この会は、参加者が感想をまとめたレポートを投稿する文化を育て、参加できなかったメンバーにも情報を共有できる仕組みを提供しています。
Wasei Salon
最後に、株式会社Waseiが主催する『私たちの“はたらく”を問い続ける』テーマのコミュニティです。こちらでは、参加者14名が集まり、個々の経験や考えを基に感想を述べ合うことで、安心して交流できる読書会を実施しています。このように、テーマや形式を工夫した読書会が多様な価値観を生み出しています。
総括
ブッククラブは単なる読書の場を超え、世代を超えた対話の場として機能しています。参加者たちは共通のテーマを基に意見を交わすことで、さまざまな視点を得られる環境に身を置くことができるのです。このような活動は、出版・メディア業界において読者との関係強化につながり、企業内でも心理的安全性の向上と文化的な多様性の促進に寄与します。
オシロは、ブッククラブの立ち上げから運営までを支援し、多くのコミュニティが誕生しています。今後もブッククラブが果たす役割はますます重要になっていくでしょう。