堤淺吉漆店、2025年PFV賞受賞
世界で最も名の知られたワイン生産者12社から成るプリマム・ファミリエ・ヴィニ(以下PFV)が、2025年の受賞者として京都の老舗漆精製所『堤淺吉漆店』を発表しました。この賞は、伝統を守りながら革新を追求する家族経営企業に贈られるもので、堤淺吉漆店はその伝統工芸に対する unwavering commitment(揺るがない献身)が評価され、10万ユーロの賞金が授与されます。
100年以上の歴史と伝統
堤淺吉漆店は、明治42年に創業し100年以上にわたり、日本の伝統工芸である漆の精製を専業にしてきました。漆は日本文化の根幹をなす素材ですが、ここ40年間でその需要が90%も減少しました。そうした厳しい環境の中でも、堤淺吉漆店は品質を最優先に考え、特に紫外線耐性を持つ漆の開発を行っています。このような技術の進化は、日本文化の保護に寄与しているのです。
伝統と革新の両立
堤淺吉漆店は、日本の漆の精製産業の中でトップの地位を築いています。その技術は、日光東照宮などの国宝の修復にも多大な影響を与えており、歴史的な価値を保つ役割を果たしています。堤淺吉漆店の代表、堤氏はこのような受賞を非常に誇りに思っており、「PFV賞を受賞したことにより、持続可能性や革新性、さらには次世代への伝統的な技の継承が一層強化されると信じています」と語っています。
授賞式とワークショップ
受賞を祝う授賞式は2024年4月10日に堤淺吉漆店にて開催され、来日したPFVのメンバーが参加しました。この際、拝受式だけでなく、ワークショップも併せて行われ、参加者は堤淺吉漆店が持つ卓越した技術と持続可能な取り組みに触れる機会を得ました。このように、希望に満ちた未来を切り開く活動が行われているのです。
PFV賞の意義
PFV賞は、2020年に創設されたもので、毎年10万ユーロの賞金が授与されることから、家族経営企業が文化や伝統工芸を支える重要な役割に焦点を当てています。過去の受賞者には、ヨーロッパ最古のヴァイオリン工房『Maison Bernard』や、フランスの高級繊維メーカー『BRUN DE VIAN-TIRAN』などがあり、堤淺吉漆店の受賞はその名誉ある一員へと加わることとなったのです。
結論
堤淺吉漆店がPFV賞を受賞したことは、伝統を守りながら革新を続ける家族経営企業が文化の持続可能性に寄与している証拠であり、今後もますます日本の伝統工芸が世界に広がることが期待されます。堤淺吉漆店の新たな挑戦と、その成果が今後の日本の伝統工芸の未来を照らし出すことでしょう。