音楽プロジェクト『Newtro』と名曲の再構築
8月29日、音楽プロジェクト『Newtro』より令和版「渋谷で5時」が公開されました。この楽曲は、1993年にリリースされた鈴木雅之さんと菊池桃子さんのデュエット曲のカバーです。カバーを担当したのは、evening cinemaとcinnamonsの二組。前回のコラボである「summertime」がバイラルヒットを記録したことから、双方のリスナーたちが楽しみにしていたこの曲がどのように進化したのか、アーティストたちのインタビューを通じて探ります。
新しいアプローチの決定
原田夏樹(evening cinema)と鈴木まりこ、青山慎司(cinnamons)のインタビューから、今回のカバー楽曲作成の過程が明らかになりました。原田は、「これまでいくつかカバー曲を手がけてきたが、単なるコピーではなく、オリジナルに寄り添いつつも新しい解釈を加えることを重視した」と語ります。
青山もこれに同意し、「原田と再び音楽を作れることに心から嬉しさを感じた」と述べ、2組の絆の強さを感じさせました。
1993年のオリジナル曲への深い敬意
今回のカバー曲の選定理由は何か。原田は、「いくつかの候補から選ぶ際に、最も両者のスタイルに合っていると思った。それに、90年代のトレンディドラマとそれにまつわる記憶が、この楽曲にはある」と説明しました。特に青山は、子供の頃に聴いた音楽番組の記憶と合わせて、「この曲の良さを再確認できた」と認識しています。
また、今回のアレンジにあたり、特にこだわったのはデュエットの形式であり、相互の掛け合いを重視することでした。鈴木も、「可愛くなりすぎないよう意識した」とアプローチのポイントを語りました。
原曲の魅力の再発見
このカバーを通じて、原田はオリジナル「渋谷で5時」の歌唱が持つ技術的な卓越性を再認識したとのこと。オリジナルの歌唱は、音程における微妙なニュアンスが際立っており、学びの多い経験だったことがわかります。さらに、90年代の雰囲気をどのように再現するかという点も大きなテーマとなりました。原田は、「トレンディドラマ的な雰囲気を持った歌詞の世界観を理解し、それに浸ることが楽しかった」と述べ、自身の音楽的な成長を明かしました。
また、青山は、当時の男女のロマンを意識した歌詞の内容がパンチ力を持っていると感じ、そのバックボーンが現在においても resonant していることを強調しました。彼らの意見は、今後の世代にも響く要素が多いことを示唆しています。
グローバルな展望と新たな価値
「summertime」が海外でヒットしたことを受け、今後の楽曲制作においても国際的な視点が重要だと認識した彼らは、その後は「日本語でも十分に楽しんでもらえる」ことを意識して制作中だとします。原田は、「日本語特有の響きに気付くことができたので、これからもそれを活かしていきたい」と希望を述べました。
彼らの言葉からは、日本の音楽モデルが進化し、今後もさらなる地平を切り開いていく姿勢が感じられます。音楽が国境を越えて愛される時代において、このカバー作品がどのように受け入れられるか、非常に楽しみです。
おわりに
新しいアプローチで再構築された「渋谷で5時」は、原曲を知らない世代にも響く作品になること間違いなし。evening cinemaとcinnamonsが手掛けたこの楽曲は、聴き手に新鮮な感覚を与えるだけでなく、音楽業界におけるトレンドや世代の交差点に新たな価値を見出すことが期待されています。彼らのコラボによる新たな音楽の風を、ぜひ多くの方に体験してほしいです。