滋賀県高島市のボイセンベリーから生まれる新しい化粧品原料

ボイセンベリーの革新

滋賀県高島市の美しい自然の中で育まれたボイセンベリー。最近、この果実を活用した革新的な化粧品原料の開発が進んでいます。化粧品OEMで知られる株式会社コスモビューティーは、ボイセンベリーの成分に着目。特にそのエキスがもたらす肌への美容効果に対する研究を行ってきました。ボイセンベリーは、徐々に国内での認知が広まっているものの、その持つ美容効果はまだ広く知られていません。

ボイセンベリーの特徴

ボイセンベリーは、複数のベリーが自然交配してできた珍しい品種で、日本国内では数カ所で栽培されています。しかし、その栽培と収穫は難しく、実際には市場で出会うことが少ないため「幻の果実」とも称されています。そこで、滋賀県高島市に位置する「はなつむぎベリーファーム」では無農薬での栽培に成功し、名付けられた「アドベリー」はその美味しさだけでなく、豊富な機能性成分を秘めています。近年では、大手菓子メーカーとのコラボ商品も登場し、この果実の認知度が急上昇しています。

研究成果の概要

1. 高い抗酸化活性

ボイセンベリー果汁は、他のベリーに比べて抗酸化活性が優れていることが証明されています。抗酸化作用は、細胞が有害な活性酸素から保護されるために重要です。この果汁を使用した実験により、ボイセンベリーは特に高い抗酸化特性を持ち、肌へのダメージを防ぐ働きが期待されます。

2. UVダメージの抑制

紫外線(UV)は肌に直接的なダメージを与え、老化の主な原因となります。ボイセンベリー果汁は、UVAによる優れたROS産生抑制効果を示し、肌の老化を防ぐ可能性があります。これは、美容業界において特に重要な発見です。

3. 細胞の増殖促進

ボイセンベリーに含まれる葉酸は、DNAの合成を促進する栄養素として知られています。研究では、ボイセンベリー果汁が肌の真皮に存在する線維芽細胞（NHDF）の増殖を促すことが実証されました。これにより、若々しい肌を保つ重要な手段としての可能性が示されています。

4. 細胞遊走の活性化

加齢によって低下する細胞の機能を向上させるため、ボイセンベリー果汁は細胞の移動性を活性化することが確認されました。細胞遊走は、組織修復や健康維持において極めて重要です。

5. ヒアルロン酸の量を増加

最後に、ボイセンベリーの効果としてみられるのは、ヒアルロン酸の生成促進です。この美容成分は、肌の潤いを保つ鍵となります。研究により、ボイセンベリー果汁がヒアルロン酸の量を有意に増加させることが明らかとなり、シワの減少も期待できます。

まとめ

ボイセンベリーに含まれる成分は、肌に対する多面的な美容効果を持ちます。高い抗酸化作用、紫外線ダメージの抑制、細胞の増殖・遊走の促進、そしてヒアルロン酸の増加。これらの結果から、ボイセンベリー果汁は革新的な化粧品原料として、大いに期待されています。本研究の成果は、2025年3月に日本農芸化学会で発表される予定です。

ボイセンベリーの魅力が、今後ますます多くの人々に知られることを願っています。滋賀県高島市の心を込めたこのプロジェクトが、美容業界に新たな風を吹き込む日も近いでしょう。