ワイン商社の挑戦
2020-05-20 16:31:56

老舗ワイン商社が新型コロナの影響を受けた取組みと成長の物語

ヘレンベルガー・ホーフの挑戦



1982年に創業したヘレンベルガー・ホーフは、ドイツ・オーストリアワインを専門にする老舗のワイン輸入商社です。神戸からスタートし、1995年の神戸震災を経て大阪に拠点を移しました。当社のモットーは、ワインをただ供給するのではなく、その背景やストーリーを共に伝えること。顧客との深いつながりを築くことで、ワインの魅力を広めてきました。

新型コロナウイルスの影響



しかし、2020年の新型コロナウイルスの影響により、13名の従業員のうち、約70%が在宅勤務を余儀なくされました。イベントや出張の自粛、訪問営業の中止、さらにはヨーロッパでの醸造所ツアーも全てキャンセルとなり、厳しい経営環境に直面しました。

ドイツ本国でもレストランは休業、醸造所の試飲販売も禁止されており、ワイン業界全体が困難な状況にありました。しかし、長年の信頼関係を基にWEB施策を展開することで、少しずつ状況を好転させています。

WEB施策の始まり



この変化のきっかけは、2020年2月28日のミーティングでの若手社員の提案でした。「こういうときこそ、ヘレンベルガー・ホーフらしいことをしよう」との発言が、会社の方向性を変えていくこととなります。まず始めたのは、ワインのおすすめを生産者の紹介動画にして配信する試みです。動画は、ワイン造りの背景を伝えるために字幕付きで作成され、毎週水曜日に全得意先へ情報が提供されます。

Youtubeチャンネルの開設



さらに、Youtubeチャンネル「ドイツワイン最高!」の開設も行いました。このチャンネルでは、日本語訳付きの生産者動画を配信し、視聴者とのつながりを目指しています。毎週火曜日と金曜日の午後5時に配信されるこのチャンネルでは、ドイツワインの基本情報や生産者のストーリーが約10分で紹介されています。これを通じて、多くの人にドイツワインの魅力を伝えています。

QRコードの活用



さらに、ワインのバックラベルには生産者動画のQRコードが貼り付けられています。これにより、消費者が商品を手に取ったときに、直接関連動画を視聴できるようになっています。この施策により、ワインの背景や生産者の思いが一層伝わることを目指しています。

WEB飲み会の開催



また、Zoomを活用し、現地の生産者とのWEB飲み会を開催しています。日本全国の酒販店や飲食店と連携し、同じワインを飲みながら交流することで、ワインが持つストーリーをより深く理解してもらう機会を提供しています。初回は2020年4月24日に開催され、その後も続々と予定されています。

バーチャル試飲会



年に2回開催される名物試飲会「ハウスメッセ」は、今年は動画での配信に切り替えて行われることにしました。この「バーチャル・ハウスメッセ」では800以上のワインを取り揃え、顧客に新しい形でワインを楽しんでもらう予定です。

未来への展望



このような取り組みは、厳しい状況下でも新たな顧客やつながりを生むきっかけとなり、2020年5月には前年実績を上回る酒販店も出てきました。新型コロナウイルスがもたらした逆境を乗り越える中で、私たちは毎日何らかの形で情報を配信し続けています。

今後も、社員一同緊急事態宣言解除後にさらなる飛躍ができるよう準備を進めていることを胸に、日々努力を続けていく所存です。ヘレンベルガー・ホーフは、これからもワインとその背景を深く知ってもらうための活動を続け、顧客との絆をますます強めていくことでしょう。

会社の概要



ヘレンベルガー・ホーフ株式会社は、その活動を通じて、密接で持続的な造り手との関係を重視してきました。創業以来、ワインを提供するだけではなく、その生産者の思いやストーリーを共に伝えていくことが、当社の存在意義であると考えています。

会社情報

会社名
ヘレンベルガー・ホーフ株式会社
住所
大阪府茨木市蔵垣内2-10-15レーラッハアインス 1F
電話番号
072-624-7540

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