公益財団法人中谷財団が、2025年度大学院生奨学金の募集を開始することが発表されました。募集期間は2025年4月1日から6月2日までとなり、日本国内の大学院生が対象です。1979年の設立以来、同財団は研究助成や表彰事業を通じて多くの研究者を支援してきましたが、特に2017年からは大学院生に対する奨学金事業も展開しています。この奨学金は給付型で、返済の必要がありません。特に注目すべきは、2024年度から奨学金の対象分野が医工計測技術からBME(バイオメディカルエンジニアリング)に広がったことで、生命科学と理工学の融合を目指す研究者に新たなチャンスが提供されました。
BME分野への注力
新たに設けられたBME分野では、生命科学とエンジニアリングの融合によって医療や人々の健康に資する研究が行われます。この分野では、生物学や医学、物理学、化学、さらにはAIなどの情報科学を駆使した研究が対象となり、基礎から応用に至る幅広い研究が奨励されています。奨学金の具体的な支援内容として、博士前期課程の学生には毎月12万円、博士後期課程の学生には最大で20万円が給付されます。例えば、学部4年生が奨学金に応募し、採択された場合、修士と博士課程の5年間で総額1,008万円を受け取ることが可能です。
応募方法とスケジュール
応募は中谷財団の公式ウェブサイトを通じて行われ、応募期間は2025年の4月1日から6月2日15時までです。審査方法は書面審査および面接審査となり、11名程度の採択が見込まれています。採択者には2025年9月下旬に通知が行われる予定です。
中谷財団の背景
中谷財団は1984年、故中谷太郎によって設立され、その使命は電子計測技術の発展に寄与することでした。現在では経済界や学界からの期待に応え、若手研究者の成長を促進するために、大学院生向けの奨学金制度や若者教育の支援を行っています。40周年を迎えるにあたり、これまでの事業活動から新たなBME分野に挑戦することで、医療技術の発展と国際的な科学技術の大幅な進展に貢献すべくその活動を拡大しています。
お問い合わせ
奨学金に関する詳細な情報や問い合わせは、中谷財団の公式ウェブサイトをご覧いただくか、神戸分室の奨学金担当の竹内まで直接ご連絡ください。これからの医学・工学の未来を担う研究者たちの応募を心よりお待ちしています。