海のない岐阜県から海ごみ博士を目指す
岐阜県という inland(内陸)の地から、海との関わりを考え、次世代へ海を引き継いでいく活動が行われました。2025年10月18日、岐阜県内の小学生を対象に、一般社団法人海と日本プロジェクト岐阜が主催した「山・川・海のつながり海洋ごみ学習」が、愛知県名古屋市の藤前干潟周辺で開催されました。このイベントは、海洋ごみ対策プロジェクト「CHANGE FOR THE BLUE」として、日本財団が推進する活動の一環として位置づけられています。
体験学習ツアーの概要
この学習ツアーは、岐阜県内の小学生が対象で、山、川、海のつながりや海洋ごみ問題を体験を通じて学ぶことを目的としています。参加者は、小学生15名(1名欠席)で、大学生のサポーターも同行。場所は、名古屋市港区にある藤前干潟クリーン大作戦会場で行われました。ここでは毎年、地域住民や市民団体、教育機関が参加して行う清掃活動が行われており、環境問題についての認識を高める重要な場でもあります。
ごみ拾いの現場での気づき
参加者は、藤前干潟に到着するとまず、そこに広がる大量のごみに驚愕しました。ペットボトルや値札のついたゴミが目立ちながらも、漁具や生活用品の残骸も見受けられました。事前に学んでいた漂着ごみの問題が現実の目の前に広がり、子どもたちは「これが現実なんだ」と実感。彼らは積極的にごみ拾いに取り組み、分別作業を通じてその発生源についても議論しました。「誰かが捨てた」「ごみ箱から流れ出たのかもしれない」といった多様な意見が出ました。
水中ドローンでの海中観察
ごみ拾いの後、名古屋港で水中ドローンを使用し、海中観察にも挑戦しました。参加者たちは、まずプールで操縦の練習を行い、その後実際に海へと向かいました。海中では、貝や魚が観察されただけでなく、沈んでいるごみの存在も確認されました。「操縦は難しかったけれど楽しかった、特別な体験ができた」と子どもたちは笑顔で感想を述べました。この体験を通じて、海の不思議さやその重要性に対する興味をさらに深めることができました。
アップサイクルアートへの挑戦
最後に、参加者たちは「アップサイクルアート」に取り組みました。要するに、廃棄物に新たな価値を持たせ、一つの作品として生まれ変わらせる工程です。使用した素材は、食品トレーや卵パック、ペットボトルの蓋など、従来はゴミとして扱われていたものばかりです。参加者自身の手で、個性的な作品が次々と出来上がりました。
作品には、「海を持たない私たちができること」「海への思い」を込めて、メッセージを添えています。学習の締めくくりとして、各自の作品を発表し、お互いの成果を称え合いました。これらの作品は、海と日本プロジェクト岐阜のホームページで紹介される予定です。
子どもたちの思い
参加した子どもたちからは、次のようなメッセージが寄せられました。
- - 「海のためにごみを拾う努力を続けます」
- - 「未来のために、分別を忘れません!」
- - 「海のことを考えることが、自分を助けることに繋がる!」など、前向きな意見が多数ありました。
この日の活動を通じて、子どもたちは、環境問題に対する意識を高めることができただけでなく、自発的に行動を起こす重要性を体感したことでしょう。
取り組みを支える団体について
一般社団法人海と日本プロジェクト岐阜は、日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環として、多様な活動を行っています。海と日本プロジェクトは、子どもたちが海に興味を持ち、次世代に引き継ぐ取り組みを推進することで、持続可能な未来を目指しています。
日本財団 海と日本プロジェクト
このように、海のない土地である岐阜県で海の問題に取り組む姿勢はとても重要です。未来を担う子どもたちが海洋ごみ問題を自分ごととして捉え、変化を生み出すことを期待したいと思います。