日本酒と世界市場
2016-05-09 22:18:18
日本酒が世界の地位を確立する日は来るのか?獺祭の桜井社長と竹田恒泰氏が切り込む
日本酒、ワインを超える存在へ
2016年5月24日、東京渋谷で行われたシンポジウム「日本酒はなぜうまいのか?〜和食が世界をリードする〜」では、海外進出を目指す日本酒の可能性について活発な議論が交わされました。このイベントには、獺祭の蔵元である旭酒造株式会社の社長、桜井博志氏、古事記の研究家である竹田恒泰氏、さらには麹菌の研究で名高い北本勝ひこ氏が登場。
神秘的な「うま味」と日本酒の魅力
シンポジウムのテーマは、日本酒がなぜ世界の酒市場で存在感を発揮するのか。そのキーとなるのが「うま味」に他なりません。日本の食文化における「うま味」は、ユネスコの無形文化遺産に登録されるほど重要な要素。日本酒もまた、この独自の味覚を背景に持つことから、ワインと肩を並べる日が近いのではないかという期待が寄せられます。
桜井氏は、自身の蔵元である獺祭がどのようにして世界市場に挑戦しているかを説明。その中で、国際的な品質基準をクリアすることや、特にアジア諸国での評価の高まりをアピールしました。特に米と水に対する妥協のないこだわりが、獺祭の品質を支えているとのこと。
一方、竹田氏は、日本酒の文化的意義を強調し、「日本酒はただの飲み物ではなく、日本人の精神を象徴するもの」と述べました。日本の伝統と深い結びつきを持つ日本酒が、国際的にどのように理解され、受け入れられていくのか、今後の展望についての興味深い見解が展開されました。
日本の麹と食文化の未来
シンポジウムでは、麹菌研究の第一人者である北本氏が日本酒に欠かせない「麹」の役割とその歴史について語りました。日本の食文化の深い部分で麹が果たす役割を解説し、麹が持つ発酵の力が日本酒だけでなく様々な日本の食材にも影響を与えていることを指摘。
彼は、海外での日本酒の需要が高まる中、日本の食文化全体が注目されるべきであると強調しました。特に和食の「うま味」が、これからの食体験の中でどれほど重要な位置を占めるのか、それを支える麹文化の可能性についても議論が行われました。
シンポジウムの結論
このシンポジウムに参加した人々は、日本酒がワインと同じように国際市場で輝く未来を感じ取れたようです。日本酒の持つ独自の「うま味」や文化的背景が、今後どのように発展していくのか、注目が集まります。
今後の日本酒の国際的な広がりや、和食の普及に向けての取り組みが求められている中で、こうしたイベントがますます重要になるでしょう。日本文明研究所によるこのシンポジウムは、まさにその一歩を踏み出す機会となりました。
会社情報
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一般財団法人 日本文明研究所
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