中古車市場の動向
2025-10-31 13:19:00

2025年上期の中古車市場動向と仕入れの課題を探る

2025年上期の中古車市場動向と仕入れの課題を探る



2025年の中古車市場において、流通量は増加傾向が見られる一方で、仕入れの困難さも浮かび上がっています。株式会社ファブリカコミュニケーションズが運営する情報サイト「車選びドットコム」のデータに基づいて、今後の市場動向とその背景に迫ります。

中古車市場の変化と統計



最新の『中古車市場統計レポート』によれば、2025年9月の新車と中古車の登録台数は、前月比でそれぞれ142.2%、118.5%と増加しています。この季節的な推移は例年の傾向を色濃く反映しており、新車の登録台数は、昨年比で97.6%となっています。該当月においては、新車供給が不安定な中、中古車だけが前年比で106.7%の増加を記録しました。これは、昨年の新車不足の影響から、中古車への需要が高まり、相対的に市場に流通する車両が増加した結果と考えられます。

登録台数の詳細



新車登録台数 2025年7月 2025年8月 2025年9月 3ヶ月平均
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台数 390,512台 301,219台 428,216台 425,574台
前年比 96.4% 91.7% 97.6% 95.2%

中古車登録台数 2025年7月 2025年8月 2025年9月 3ヶ月平均
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台数 570,807台 461,678台 547,288台 526,591台
前年比 101.3% 98.8% 106.7% 102.2%

このデータは「自販連」と「全軽自協」の統計に基づいており、ここ数ヶ月の自動車市場の動向をよく表しています。

需給のバランスと価格動向



中古車市場では、流通量が増加するものの、特に高年式の人気車種に偏っています。2020年の新型コロナウイルスによる影響で、5年落ちの車両供給が減少しているためです。加えて、円安によって輸出需要が拡大している影響もあります。このため、販売店にとって手に入れやすい価格帯の車両が不足しており、仕入れが難しい状況が続いています。

市場は一見すると活況に見えますが、人気車種の価格が高止まりしているのに対し、需要の少ない車種では逆に価格の下落が確認されるなど、市場全体の需給バランスが崩れています。また、倒産件数が前年同月比で1.5倍に達しているというデータも、この状況を裏付けています。

中古車オークションとデジタル化



一方で、中古車オークション市場では出品台数が増加し、デジタル化の進展も目立っています。USSでは2025年度上期の出品数が前年同期比で15.9%増となり、新たな記録を打ち立てています。しかし、人気車種や高年式車への需要が集中していて、落札競争が激しいのも事実です。成約率は前年を下回っているものの、平均成約単価は高水準を維持しています。

今後の展望



中古車市場は流通量が増加する一方で、価格の高止まりが続く中、販売店は厳しい状況に直面しています。今後も為替や輸出動向に影響される市場環境の中で、在庫管理や仕入れ判断の効率化が求められるでしょう。市場動向をしっかりと把握し、適切な戦略を持って臨むことが安定した経営につながるはずです。

結論



2025年の中古車市場は様々な要因から複雑な状態にあります。価格の動向を見極めながら、仕入れや在庫管理のスキルを磨くことが、販売店の成功に結びつくでしょう。今後の市場動向にも注目し、変化に対応した経営を考えていきたいものです。


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会社情報

会社名
株式会社ファブリカホールディングス
住所
東京都港区赤坂1丁目11-30赤坂一丁目センタービル9F
電話番号
03-5544-9102

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