ユニバーサルデザイン銀賞受賞、島根のKUTOが生んだファッション革命

近年、ユニバーサルデザインの重要性が高まっていますが、特にファッションにおいてもその波は広がり続けています。そんな中、島根県の縫製工場「株式会社KUTO」が手掛けた「Throughsleeve（スルースリーブ）」が、日本国内でも注目を集めています。

Throughsleeve：ファッションに新たな風を

Throughsleeveは、全ての人が自分で着ることができるシャツとして設計されており、特に身体に障害を持つ方々に配慮したデザインが特徴です。2024年2月20日に行われたIAUD国際デザイン賞で銀賞を受賞し、世界的にもその革新性が認められました。

このシャツが生まれた背景には、株式会社KUTOの創業者の個人的な体験があります。彼は妻が病気で闘病生活を送っていた際、洋服を着ることへのストレスを目の当たりにし、同じような悩みを抱える人々を助けたいと考えるようになりました。この思いから、Throughsleeveは開発されたのです。

課題を理解することから始まる

日本には、脳卒中やALS、パーキンソン病などの影響で洋服の着替えが困難な人が132万人いるとされています。株式会社KUTOは、これらの人々にインタビューを行い、需要や課題を直接聞き取ることで、着やすさやデザインの重要性を学びました。特に、介助の必要なく自分で着ることができる服のニーズが高まっていることが分かりました。

シンプルで効果的なデザイン

Throughsleeveには、特許出願中の革新的なデザインが取り入れられています。例えば、脇下にストレッチ素材を使用したマチがあり、これにより肘を曲げたままでも袖を通すことができます。また、袖口はゴム仕様で、簡単に袖を通すことができ、前立てにはマグネットボタンが使用されており、指先の力に自信がない方でも容易に留めることができます。

また、実際にThroughsleeveを着用した方々からは「簡単に着ることができ、デザインも素敵」といった好評の声が寄せられています。このような反響があるからこそ、KUTOはファッションを通じて社会に貢献する意義をさらに感じています。

未来への展望

KUTOは、Throughsleeveの成功を足がかりに、今後はズボンやジャケットなど、より多様なアイテムの展開を計画しています。これにより、全ての人々におしゃれを楽しむ選択肢を提供し続けることを目指しています。共生社会を実現する一助となることを願い、日々新たな挑戦を続けています。

まとめ

株式会社KUTOのThroughsleeveは、全ての人が自分らしさを表現できるファッションを提供するものであり、ユニバーサルデザインの理念が形になった商品です。ファッションの自由を取り戻したいという思いを胸に、これからも多くの人々に支持されるアイテムとなることでしょう。皆さんもぜひ、KUTOのウェブサイトを訪れて、Throughsleeveの魅力を感じてみてください。