故・谷川俊太郎の遺作を掲載する新潮2025年1月号
株式会社新潮社は、2024年12月6日(金)に発売される「新潮」2025年1月号に、故・谷川俊太郎さんの遺作である詩「いつかなじんだ靴を履いて」を掲載します。この号は、詩人が92歳で亡くなった後の初の発表となり、特別な意味を持つ号です。さらに、この号からはデザインが全面的にリニューアルされ、視覚的にも新たな魅力を持った「新潮」として生まれ変わります。
遺作の内容と意義
「いつかなじんだ靴を履いて」は、谷川俊太郎さんと詩人・作詞家の覚和歌子さんが共同で創作した対詩です。この作品は、今年の5月から10月にかけて、短い十行の詩をお互いに送り合う形で紡がれてきました。谷川さんは亡くなる約3週間前まで創作を続け、詩の中には「死」や「宇宙」、「無限」といったテーマが織り込まれています。彼の詩的世界が緊密に彼の生を記録していることで、多くの読み手に深い感銘を与えることでしょう。
詩の一節として、覚さんの言葉では「この窓に五月を切り取って…」と描かれていますが、谷川さんも「今過ぎ去ったものと今もたらされたものの区別が…」と、時の流れに対する深い考察を示しています。このように、二人の対話を介して語られるテーマは、彼の人生そのものを反映しているかのようです。
特集内容と追悼文
今回の新潮には、谷川さんへの追悼文も掲載されます。詩人たちからの言葉が集まり、彼の詩人としての影響力や、命と向き合い続けた姿勢が称えられています。追悼文では、伊藤比呂美さんや尾崎真理子さんをはじめ、多くの著名な詩人が谷川さんとの思い出を語り、彼がいかに多くの人々に愛され、影響を与えてきたかが表現されています。
新潮文庫『ベージュ』と重版
また、同じく谷川俊太郎さんが編纂した文庫詩集『ベージュ』が11月28日に新潮文庫として発売されており、早くも重版が決定しています。この詩集も、彼の文学的遺産の一部として多くの読者に受け入れられているようです。
デザインのリニューアル
新潮2025年1月号は、表紙からページ構成まですべてにわたって全面的にデザインが刷新及び統一感が強化されています。創刊以来初の試みとして、「LABORATORIES」と協力し、視覚的な魅力を一新、より読みやすくなったと自負しています。新たなデザインとともに、読者に新たな文学体験を提案します。
新潮2025年1月号には新連載や豪華対談も含まれており、文学ファンにとって目が離せない内容になっています。
発売詳細
新潮2025年1月号
- - 発売日: 2024年12月6日(金)
- - 価格: 1,091円(定価1,200円)
- - 公式サイト: 新潮社
この号を通じて、故・谷川俊太郎さんの詩の深い世界に触れ、彼の足跡をたどることができる貴重な機会となることでしょう。読者の皆さんもぜひ手に取ってみてください。