新たなスタートアップ支援の取り組み:GRASSHOPPERの概要
近年、スタートアップ企業は日本の経済において注目を集めており、国内ベンチャーキャピタルの投資額は2017年度に前年比19.9%増の1266億円に達しています。この背景には、多くの新規上場企業の登場や経済産業省の「J-Startup」など、スタートアップ企業の海外進出を支援する施策がある。しかし、こうした経済的な成長の影には、クリエーティブな面での課題が横たわっており、スタートアップ企業がその部分での支援を求めている状況も見受けられます。
そこで、株式会社電通が立ち上げたのが、アクセラレーションプログラム「GRASSHOPPER」です。このプログラムは、クリエーティブを中心にスタートアップ企業の成長を多角的に支援し、起業家を取り巻くエコシステム全体に寄与することを目的としています。プログラム名には、バッタが飛び立つ姿にあやかり、起業家の挑戦を後押しする意図が込められています。
プログラムの内容と特徴
「GRASSHOPPER」では、クリエーティブ、ブランディング、UI/UX、PR、マーケティングなどに加え、事業計画、資本政策、法規対応など幅広い支援を提供します。このプログラムは、外部の専門家と連携し、約3ヶ月間のメンタリングを経た後、投資家や大企業の新規事業担当者に対するプレゼンテーションの機会「デモデイ」を用意しています。また、プログラムに参加するスタートアップ企業には、電通の社員が担当プロデューサーとなり、大企業との協業や新たな事業展開を模索することができる仕組みも組み込まれています。
さらに、電通の投資部門が独自の視点で参加企業への投資も検討するため、経済面でも手厚いサポートがあります。これにより、参加企業はクリエーティブな戦略を策定しながら、実際の事業展開に向けた道筋を見出すことができます。
コミュニティとのつながりを強化
また、「GRASSHOPPER」の公式ウェブサイトでは、メディアとしての役割も果たしながら、コミュニティの活性化を目指しています。既にメンター陣のインタビューが公開されており、今後もプログラムの参加企業やコンセプトに合ったイノベーターへのインタビュー、レポートなどが掲載される予定です。
募集スケジュールとメンター陣
「GRASSHOPPER」は、11月末まで参加企業を募集中で、参加が決まった場合は、12月から2019年3月にかけてメンタリングが行われ、3月下旬にデモデイが予定されています。
メンター陣には、各分野での専門家が揃い、テクノロジー、ブランディング、UI/UX、マーケティング、資金調達、起業、法規、映像制作など様々な側面からの支援が受けられます。
- - テクノロジー: 朴 正義(株式会社バスキュール代表)
- - ブランディング&PR: 中村 洋基(PARTYクリエーティブディレクター/ファウンダー)
- - UI/UX: 深津 貴之(株式会社THE GUILD代表)
- - マーケティング: 彌野 泰弘(株式会社Bloom&Co.代表取締役)
- - 資金調達: 村田 祐介(インキュベイトファンド代表パートナー)
このように、「GRASSHOPPER」はスタートアップ企業にとって、クリエーティブな成長を支援することを目的とした新たなアクセラレーションプログラムです。多くの起業家たちがこの機会を活かして、次なる飛躍を目指すことを期待しています。