日本の電気自動車(EV)市場は、これまでイーロン・マスクが率いるテスラ社など外国勢が数多くのシェアを占めてきました。しかし、この度、GSアライアンス株式会社が日本の技術力を基にした新たなEV製造企業「株式会社e-Gle Tech」を設立しました。これにより、「日本から再び世界に誇れるEVを生み出す」という挑戦が始まります。
当社は、兵庫県川西市を拠点に、最先端のEV関連技術の研究開発を進めています。特に、創立者の森良平博士(工学)の指導の下、かつて日本においてEV技術の先駆けとして名を馳せた「Eliica(エリーカ)」に関わった清水浩名誉教授のインホイールモーター技術を活用したEVの開発を目指しています。
日本国内のEV普及は依然として進まない状況にありますが、その大きな理由として充電インフラの不足や高価格、航続距離の短さが挙げられます。しかし、国際エネルギー機関(IEA)は、2030年までに世界のEV市場が大幅に拡大するとの予測を示しています。特に中国、ヨーロッパ、北米がEV市場をリードする中、日本も遅れを取っている場合ではありません。
清水浩名誉教授によるEliicaは、2004年に開発され、当時としては驚異的な性能を誇りました。最高速度370km/h、0から約160km/hの加速ではポルシェ911ターボに勝る性能を持っており、次世代の車両として注目を集めました。しかし、長年の自動車産業との競争が影響し、量産に至ることはできませんでした。その背景には、日本の自動車産業の保守的な考え方と資金不足がありました。
GSアライアンスが設立したe-Gle Techは、こうした歴史的背景を受け継ぎ、EVの製造に乗り出します。特に、清水浩氏のインホイールモーターは、従来のモーターに比べて高い効率性を実現し、デザインの自由度も高めることができる技術です。しかし、これには課題も多く、振動に弱かったり、故障した際のリスクも伴います。清水氏はその技術を改良し続け、現在では数十台の試作品が実際に公道を走行可能な状態にまで至っています。
GSアライアンスは、清水氏の技術を活かしつつ、最先端のバッテリー技術やインフラ整備とも連携します。さらに、ペロブスカイト太陽電池やフリー燃料電池といった新しい技術の研究も進めています。これにより、EVの価格低下や航続距離の向上を目指すと同時に、環境への負荷を軽減することを追求しています。
今後、GSアライアンスは資金調達を進め、これらの画期的な技術を融合し、日本製の世界最先端EVの実現を目指します。電気自動車の未来は、技術革新とともに広がっていくことでしょう。日本がEV市場再生の舞台に立ち返る日は、そう遠くないかもしれません。