建築遺産の再生:歴史と未来を繋ぐ挑戦 - 日仏専門家による対談
歴史ある建造物が消失したり、遺跡と化したり、災害によって破壊された場合、私たちはそれを再建すべきなのでしょうか?もし再建するならば、どのような理論や技術を用いるべきか、その目的は何でしょうか?
日本の神社仏閣や城跡から、パリのノートルダム大聖堂、中世の天守閣から産業革命の遺構まで、建築遺産の再生は、ヨーロッパでも日本でも活発な議論を呼ぶテーマとなっています。
この議論は、単なる歴史的建造物の保存を超え、科学、記憶、経済、都市計画など、様々な問題を提起し、遺産という概念そのものを問いかけています。
横浜日仏学院が主催する対談イベント『日仏建築遺産の再生を考える』では、東京大学の海野聡准教授、日仏会館・フランス国立日本研究所研究員のデルフィーヌ・ヴォムシャイド、そして建築家マヌエル・タルディッツが、理論、実践、そして具体的な事例を交えながら、建築遺産の再生に関する研究や議論の現状について語り合います。
3人の専門家が語る、建築遺産再生の最前線
海野聡准教授は、日本の歴史的建築物を専門とする研究者であり、古建築の復元や保存に関する豊富な知見を持っています。氏は、伝統的な技術と現代の技術を融合させながら、歴史と未来を繋ぐ建築のあり方を追求しています。
デルフィーヌ・ヴォムシャイド氏は、フランス国立日本研究所の研究員として、日本における都市と文化遺産の歴史を研究しています。氏は、特に金沢城下町の都市構造と文化遺産に焦点を当て、歴史的な文脈と現代社会における遺産の役割について研究を進めています。
マヌエル・タルディッツ氏は、建築設計事務所「みかんぐみ」の共同設立者であり、日本国内外で数々の賞を受賞した実績を持つ建築家です。氏は、伝統的な建築様式と現代的なデザインを融合させた独自の建築スタイルを確立し、建築を通して社会と文化を繋ぐことを目指しています。
建築遺産再生を巡る議論:多角的な視点からの考察
この対談イベントでは、3人の専門家がそれぞれの専門分野から、建築遺産再生を巡る様々な議論を展開します。
・歴史的価値と現代社会における役割: 遺産は単なる過去の遺物ではなく、現代社会においても重要な役割を担っています。歴史的建造物をどのように現代社会に繋げ、新たな価値を生み出すのか、その方法を探ります。
・技術と倫理: 伝統的な技術と現代の技術をどのように融合させ、歴史的建造物を修復・再建するのか。また、歴史的建造物に対する倫理的な責任、例えば、元の姿とのバランスや現代社会への適合性などについて考察します。
・文化交流と国際的な視点: 建築遺産は、国や文化を超えて共有される貴重な財産です。日仏両国の専門家による対談を通して、国際的な視点から建築遺産の再生について考えます。
イベント概要
主催: 横浜日仏学院
日時: 2024年8月2日(金)18:00~19:30
会場: 横浜市開港記念会館(横浜市中区本町1丁目6-6)
参加費: 無料(要予約)
予約方法: 横浜日仏学院オンラインブティックまたはPeatix
お問い合わせ: 横浜日仏学院(045-201-1514)
公式サイト: https://culture.institutfrancais.jp/event/patrimoine
横浜日仏学院について
横浜日仏学院は、フランス政府公式機関として1990年に開校した、日仏交流の拠点です。フランス語の授業だけでなく、文学、美術、建築、討論、映画、音楽、ダンスなど、幅広いジャンルのイベントを企画・開催しています。また、地域のパートナーと共に、毎年初夏に「横浜フランス月間」を開催しています。
この対談イベントを通して、建築遺産の再生について深く考え、歴史と未来を繋ぐためのヒントを見つけてください。