赤毛のアン舞台化
2022-12-07 11:30:01
舞台化決定!村岡花子と「赤毛のアン」の物語
村岡花子と「赤毛のアン」の物語は、カナダと日本の文化交流の象徴ともいえます。このたび、彼女の生涯を基にした舞台が制作されることになりました。舞台監督のアダム・ブレイジアー氏は、ルーシー・モード・モンゴメリと村岡花子が、両国の友好関係において重要な役割を果たしてきたことを強調しています。花子が文学に与えた影響は計り知れません。
村岡花子は日本の貧しい茶商人の家庭に生まれました。彼女の運命は、東京に設立された名門女学校への入学によって大きく変わり、そこでカナダ人宣教師によって英語詩と文学に目覚めます。しかし、1941年に日本が真珠湾を攻撃した後、彼女を教えた宣教師たちが日本を去らなければならなかったことは、花子にとって試練となりました。
そんな中、彼女に慰めを与えたのはカナダの友人から贈られたL.M.モンゴメリの名作『赤毛のアン』でした。空襲の恐怖にさらされながらも、花子はこの作品を日本語に翻訳することを決意しました。彼女の翻訳作業は、戦争の暗い影を乗り越えた友愛の証でもありました。
日本での『赤毛のアン』の出版は1952年に実現します。それまで知られていなかったカナダの作家の作品が、日本で瞬く間に成功を収め、今や日本の教育課程に組み込まれるまでになりました。また、アニメの制作や多くの観光客がプリンス・エドワード島を訪れるようになったのも、彼女の翻訳があったからこそ。
花子の孫であり、『アンのゆりかご』の著者でもある村岡恵理さんは、花子がこの作品を通して、身近な日常の美しさや儚さを伝えたかったのだと振り返ります。戦争の悲惨さを知る彼女にとって、『赤毛のアン』の翻訳は、恩師や友人たちへの愛情の証であったのです。
現在、日加友好の象徴的な作品として舞台化されることが決定し、2025年の大阪万博での朗読公演も視野に入れて、コンフェデレーションセンターはプロジェクトを進めています。在カナダ日本国大使の山野内勘二氏も、このプロジェクトに対する期待を寄せています。
この舞台の応募については、原作の翻訳を手がけた優れた脚本家を求めており、詳細はコンフェデレーションセンターの公式ウェブサイトで確認できるとのこと。村岡花子の功績を振り返るこの舞台が、日加の絆を一層深めることでしょう。
会社情報
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Confederation Centre of the Arts
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- 145 Richmond Street, Charlottetown PEI Canada, C1A 1J1
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