ベトナムで進化するコールドチェーン物流
SGホールディングスグループの関連企業であるSGHグローバル・ジャパンが手掛ける、ベトナム国内のコールドチェーンサービスが新たに始まります。今後のASEAN地域における低温物流の拡大を目指し、SG佐川ベトナムが南北コールド混載輸送の新サービスを開始することになりました。これは、グループ企業である名糖運輸の子会社、メイトウベトナムとの連携によるものです。
サービス開始の背景
近年、アセアン地域では経済の発展と共に食生活が多様化し、コールドチェーンの需要が急増しています。特にベトナムは、南北に1,800キロメートルの長さを誇る国であり、気候も地域ごとに異なるため、特色ある農産物や食品が数多く存在します。しかし、こうした地域特産物を消費地に届けるための効率的な物流インフラは課題となっていました。
そこで、地元の知識と物流技術に強みを持つ佐川ベトナムと、低温輸送の専門性を有するメイトウベトナムが組み合わさることで、この問題を解決しようとしています。2025年4月からのサービス開始を目指し、ホーチミンとハノイ間の輸送を中央のダナンを経由して行います。
新サービスの概要
新サービスでは、ホーチミンから出発し、ダナンを経由してハノイまでの約1,800キロメートルを46〜48時間で結ぶことが期待されています。このサービスは、冷凍または冷蔵品を常温貨物と混載することで、顧客にとって利用しやすい価格帯を実現します。冷蔵輸送だけでなく、食料品や医薬品など、より多様な商品を一貫して低温で運ぶことが可能です。
日本からの食品輸出を視野に入れたこのサービスは、将来的にはASEAN地域全体での拡大を計画しています。ベトナム内の物流基盤を活かし、他国へもサービスを広げていくことが狙いです。これにより、国際的な物流ニーズに応える一方で、現地の経済にも寄与することが期待されています。
市場への影響
このコールドチェーンサービスの開始により、アセアン地域での冷凍・冷蔵輸送が一層強化され、顧客のニーズにも迅速に対応できる体制が整うでしょう。また、新たなビジネスモデルの構築が進むことで、地域内での競争力が向上し、さらなる地域経済の活性化にもつながると考えられます。
医薬品などの重要な輸送ニーズにも対応し、SGHグローバル・ジャパンはアジア市場での競争力を一層高めていく予定です。この新しいサービスは、食材だけでなく医療関連商品など幅広い分野で利用されることが見込まれています。
今後、SGHグローバル・ジャパンはグループ内のシナジーを最大限に活用し、ASEAN地域の国際貨物事業を推進していくことを目指します。顧客の多様なニーズに応え、社会から必要とされる存在であり続けるための取り組みが注目されています。