シブリー新刊情報
2024-08-26 13:50:35

アダニーヤ・シブリーの傑作『とるに足りない細部』が遂に日本語版で登場!

パレスチナ文学の新たな光、アダニーヤ・シブリー



現代パレスチナ文学を牽引するアダニーヤ・シブリーの新作『とるに足りない細部』が、2024年8月26日に日本語版として発売されます。本書は、彼女の代表作として国際的評価も高く、村田沙耶香や西加奈子といった著名作家の推薦も受けているため、多くの読者にとって期待される一冊となるでしょう。

作品の背景とテーマ



本作『とるに足りない細部』は、アラビア語で2017年に発表され、以後世界中で評価を受けてきました。特に、全米図書賞翻訳部門の最終候補や国際ブッカー賞の候補に名を連ねるなど、国際的な注目を集めています。作品の内容は、1949年でのイスラエル軍の歴史的な事件に基づいており、その事件は、ベドウィン少女の悲劇を通じて描かれています。

第一部では当時のイスラエル軍の将校の視点から事件が語られ、第二部ではその事件の真実を探る現代のパレスチナ人女性の姿が描かれます。過去と現在をつなげる物語構造が、読者に深い理解を促します。

論争と文学



シブリーが描くこの物語は、2023年に独リベラトゥール賞を受賞したものの、イスラエルによるガザへの攻撃の激化に伴い、授賞式が中止されるという事態が起きました。この決定は世界中で反響を呼び、多くの著名な作家や関係者が抗議の声を上げました。事実、シブリーの作品は、イスラエル兵による暴力を描くことで、現代の重要な政治的文脈に位置付けられています。

これに対し、シブリーは自身のエッセイ「かつて怪物はとても親切だった」を発表し、恐怖や戸惑いを感じながらも言葉を探し続ける様子を描いています。この文章は、文化的背景における彼女の思考を読む上で欠かせないものとなるでしょう。

もっと知りたい方へ



さらに、シブリーの作品がどのようにして日本で受け入れられ、評価されているのかを知りたい方は、季刊文芸誌「文藝」2024年夏季号に掲載された特集をチェックしてください。シブリーの日本語版『とるに足りない細部』は、バリエーション豊かな視点を提供し、アラビア語圏を代表する文学作品に触れるまたとない機会となるでしょう。

特に、アダニーヤ・シブリーの先見の明と独特な視点に基づくこの作品は、現代社会の問題を掘り下げる力強い言葉を提供してくれます。歴史的背景を持った小説を通じて、私たちに様々なことを考えさせる機会を与えてくれる作品となるでしょう。

さて、アダニーヤ・シブリーの新たな作品に、ぜひご注目ください。日本語版の発売は、その文学を楽しむ絶好のチャンスです。


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会社情報

会社名
河出書房新社
住所
東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
03-3404-1201

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