株式会社スギノマシンの革新技術:レーザー焼け取りロボットシステムの開発
溶接業界における新たな挑戦
富山県滑川市に本社を置く株式会社スギノマシンは、自社の革新的な技術を駆使して「レーザー焼け取りロボットシステム」を開発しました。このシステムは、金属の溶接後に発生する焼けを自動で判定し、最適なレーザー経路を生成、そして焼けを除去します。溶接作業における労働力不足の解決策として、この新技術は非常に注目されています。
焼け除去の重要性
溶接後の焼けは、金属表面に焦げたような跡を残し、見た目を損なうだけでなく、腐食の要因にもなります。これを解消する焼け取りは、この工程において欠かせない作業です。従来、この焼け取り作業は手作業や化学薬品を使用する方法が主流でしたが、新たなレーザークリーニング技術によって、大幅に効率化されることが期待されています。
レーザークリーニングの利点
新たに採用された「レーザークリーニング」は、非接触で焼けを除去するため、金属へのダメージが少なくなります。また、薬品を使用しないため、廃液処理が不要で、環境にも優しい方法です。このシステムでは、従来の手法よりも工程が短縮され、作業効率が大幅に向上しました。
特徴と技術の詳細
1. センシング技術による高精度な焼け取り
スギノマシンの独自のセンシング技術により、焼けの範囲や色の濃淡が自動判定され、レーザーのパラメータが最適化されます。
2. AI技術による汎用性のある自動化
部品の形状や焼けの範囲に応じたロボット経路を自動生成することで、プログラミング作業を大幅に削減し、効率的な作業が可能です。また、さまざまな形状の部品や多様な板金加工ラインにも対応可能です。
3. 環境と品質の両立
レーザーによるクリーニングは化学薬品を使わないため、人体や環境にやさしく、溶接強度にも影響を与えません。これにより、製品品質も向上します。
製品仕様と発売情報
新システムは、2025年7月1日から受注を開始し、初年度に50台の販売予定です。使用するロボットは6軸の当社製CRbまたは協働ロボット、レーザーはファイバーレーザーを採用しています。
まとめ
スギノマシンが開発したこの革新的なレーザー焼け取りロボットシステムは、溶接業界の生産性を大きく向上させる可能性を秘めています。技術の進化によって労働力不足を解消し、環境に優しい製造プロセスを実現するこのシステムは、今後の業界のスタンダードになることでしょう。今秋に東京ビッグサイトで開催される「MF-TOKYO 2025」では、その詳しいプロダクトの展示が行われる予定ですので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。