特別な一夜、劇場の熱気が満ちた東京公演
2025年の夏、東京のI'M A SHOWで行われたミュージカル『LIGHT YEARS -幾光年-』は、被爆80年を記念して特別に上演されました。主演には人気の若手女優大原櫻子が抜擢され、特別出演には名女優松坂慶子が登場。全3回のトライアウト公演は、満員の観客を迎え、熱い拍手が送られました。
原作に込められた深いメッセージ
この作品は、作曲家・都倉俊一氏が1994年に発表したミュージカル『OUT OF THE BLUE』をベースにしています。都倉氏は、ロンドンでの活動を経て、日本に帰国し、再構築を重ねたこのミュージカルを、被爆70年の節目、そして未来への平和の祈りを込めて再度上演することを決意しました。「長崎の物語を世界中に広め、平和のメッセージを発信したい」という都倉氏の思いが詰まっています。
家族の歴史が語る過去
物語は、被爆体験を持つ母ヒデコ(演:愛加あゆ)、娘ハナ(演:坪井木の実)、孫娘ヒデミ(演:大原櫻子)の四世代の家族の苦悩と愛を描いています。ハナが病床で過去を振り返り、ヒデミに家族の歴史を語りかける形で進行します。アメリカ人の父マーシャルと日本軍人の叔父ハヤシとの間に引き裂かれた家族の思いが交差し、観客は当時の悲劇を追体験することとなります。
圧巻のパフォーマンス
主演の大原櫻子は、若き日のハナとその孫娘を一人二役で演じ分け、観客を惹きつけました。歌唱力も圧巻で、物語の感情を豊かに表現していました。松坂慶子は語り部として登場し、作品全体に深みを与える存在感を放っていました。彼女の語りによって、物語にさらなる情緒が加わります。
平和への思いを込めて
公演後、都倉氏は「被爆体験を風化させず、未来に平和の思いをつなげたい」と語りました。作品は、家族の絆と人類愛をテーマにしており、観客に深い感動と考えさせられるメッセージを届けました。公演は日本国内や海外での展開も視野に入れており、さらなる広がりを見せることでしょう。
公式情報
ミュージカル『LIGHT YEARS -幾光年-』は、今後も多くの地域で公演を行う予定です。公式ウェブサイトでは、最新情報や公演予定が発信されており、ぜひ訪れてみてください。これからの上演が楽しみです。
公式サイト