成層圏機器向けオゾン試験サービス開始、OKIが市場での成長を支援

新しい試験サービスの開始

OKIエンジニアリング（OEG）は、2025年2月27日より「成層圏稼働機器・部品・材料向け200ppm高濃度オゾン試験サービス」をスタートします。この新サービスは、成層圏で使用される素材に特化したもので、ゴムや樹脂などのさまざまな材料を高濃度オゾン環境下で評価する加速試験を含んでいます。加速試験とは、実際の環境よりも厳しい条件下で材料の耐久性を評価するプロセスであり、これにより製品寿命の検証が行われます。

成層圏の重要性と挑戦

成層圏とは、物理的には比較的穏やかな風や安定した飛行条件がある空域ですが、その分、特有の環境要因も存在します。成層圏には、地上よりも高いオゾン濃度（2～8ppm）があり、これが機器や部品に亀裂を引き起こす原因とされています。特に、宇宙旅行やHAPS（高高度プラットフォームステーション）技術の発展に伴い、成層圏での機器開発が進む中、オゾン環境下での耐性評価がますます重視されています。

対応する試験内容と設備

OEGでは、特注の大型オゾン試験機を用いて、成層圏の環境に即した高濃度オゾン試験を実施します。試験機のサイズは1,000mm x 1,000mm x 1,000mmであり、最大200ppmの高濃度オゾンを生成できます。この試験機を利用することで、部品や材料だけでなく、ユニット全体の耐久性を評価することが可能です。

試験内容には、オゾン、温度、気圧が材料に与える影響を調査することが含まれ、走査型電子顕微鏡で素材の劣化状況も観察します。さらに、試験後には構造や組成の変化を詳細に分析し、顧客へ改善提案を行うことで、製品開発における信頼性の向上を図ります。

期待される結果と販売戦略

OKIエンジニアリングは、この新しい試験サービスを通じて、2026年度には1億円の売上を目指しています。主に航空宇宙分野に焦点を当て、成層圏試験は同社の中期経営計画における重要な施策の一つとして位置付けられています。企業は、希望される未来に向けて、特殊環境試験と機器設計の両面からアプローチし、競争力を高めていく方針です。