2024年8月、宮崎県で発生した震度6弱の地震を受け、リスクモンスター株式会社は「震災対策に関する意識」調査を実施しました。この調査は、南海トラフ地震のリスクが高まっている中、企業がどれだけ自然災害に備えているのかを分析することを目的としています。
調査の結果、企業の78.5%が自然災害対策や事業継続計画(BCP)の策定に取り組んでおり、14.0%が現在も計画を検討中だと回答。つまり、9割以上が何らかの対応を行っていることが明らかになりました。特に上場企業は全てが対策を策定済みであったことから、企業の規模によって対策の有無に差が見られました。非上場企業では約4社に1社が未策定の状態であり、小規模な企業のリスク管理が遅れていることが懸念されます。
調査で最も多く挙げられた具体的な対応策は「緊急連絡網や防災マニュアルの整備」(92.9%)と「BCPの策定や訓練」(91.7%)でした。これは、他の項目と比べても非常に高い数値であり、企業が従業員の安全や事業の持続性を重視していることを示しています。一方で、「仕入・販売先の代替検討」については約6割と、若干の不足が見られ、企業によっては災害時の影響が大きい取引先への対応が不十分である可能性が考えられます。
大地震が発生した場合、自社の事業活動にどのような影響があるかを尋ねたところ、特に仕入活動や販売活動、社内システムへの影響を懸念する声が多く上がりました。過半数が「仕入活動」(72.0%)や「社内システム等」(62.6%)にリスクを感じていると回答し、事業の根幹に直結する部分への影響を危惧する企業が多かったことがうかがえます。
この調査結果からは、企業の震災対策への取り組みが明らかになる一方で、更なる努力が必要であることも浮き彫りになりました。特に小規模企業では、未策定の対策が多数存在し、災害時に大きな打撃を受ける可能性があります。また、実際の大地震が発生した場合の「完全停止期間」の予想では、45.8%が「4日以上」と答えており、9割近くが何らかの形で事業が停止する懸念を抱えています。
さらに、復旧までの期間についても、8割以上が1日以上の事業停止を予測しており、企業は長期的な影響を受けることが実際に明らかになったのです。このように、自然災害への危機感とその影響の実態を再認識する必要があるとともに、企業の防災意識の向上が求められます。
リスクモンスターは引き続き企業活動に関する様々な調査を実施し、企業の防災対策の強化に貢献していく所存です。今後も、地震大国日本の特性を踏まえたリスク管理が、企業の持続的な成長と社員の安全を守るために不可欠であると考えています。