株式会社StapleBioが次世代型核酸医薬技術を進化、資金調達を成功
次世代型核酸医薬技術に特化した株式会社StapleBioは、4.6億円の資金調達を実施しました。この資金は、同社が取り組む「Staple核酸」と呼ばれる画期的な医薬品開発に活用されます。創業は2021年11月で、ここまでの間に多くの成果を上げてきた同社は、今後もその勢いを保つために新たな研究開発を進めます。
特に注目すべきは、2022年10月に同社が経済産業省から採択された「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」です。このために開発されたソフトウェアにより、Staple核酸の自動設計が可能になっています。この資金調達によって、さらに多くの研究者を雇用し、研究所を拡充し、創薬プラットフォームを確立するとともに、新しい開発パイプラインの創出を目指すとのことです。これにより、希少疾患をターゲットにした治療薬の開発が加速されることが期待されています。
投資家からの期待の声
資金調達のニュースを受けて、各投資家もその期待を寄せています。大鵬イノベーションズの下村俊泰氏は、同社の革新的な技術と熱意に満ちたチームが世界中の人々の健康に寄与することに大きな期待を寄せています。彼は、患者に新しい治療薬を一日でも早く届けるために力を尽くす意向を示しています。
同じくDiamond Medino Capitalの行方貴広氏も、「世界初の作用機序」を持つ「Staple核酸」が持つ可能性を強調し、徹底した科学的検証を経てこの技術の重要性を確信しているとのコメントを発表しました。さらに、勝田CSOや谷川CEOの情熱がこのプロジェクトの成功を後押しすることに信念を持っているとのことです。
肥銀キャピタルの横山輝氏は、この次世代型核酸医薬技術によって新たな治療薬を提供したいという意義に共感し、支援を続けていく考えを述べました。特に、治療法がない希少疾患や感染症の患者に新しい希望をもたらすことが期待されています。
Staple核酸の特徴と優位性
「Staple核酸」は、熊本大学の勝田陽介准教授によって開発された次世代型医薬技術であり、生体内でのタンパク質のバランスを整えることができます。具体的には、標的遺伝子のグアニン繰り返し配列付近に結合し、グアニン配列を一緒に近づけることでG-quadruplex(G4構造)を形成し、タンパク質の発現量を調整することが可能です。
この技術は特に、オフターゲット作用を最小限に抑えられる点も特徴の一つです。つまり、目的のターゲット以外に影響を与えることが少なく、より高い安全性が期待できます。これにより、特に治療が難しい希少疾患に対しても効果的にアプローチすることが可能となるでしょう。将来的には、治療薬として実用化されることが期待されています。
会社の概要
StapleBioは、日本国内の次世代型核酸技術に特化した先進的な創薬ベンチャーであり、熊本大学からスピンオフした企業です。2023年4月には「J-Startup KYUSHU」にも選出され、その技術力や取り組みが注目されています。
会社名:株式会社StapleBio
所在地:熊本市中央区黒髪二丁目39番1号
代表者:代表取締役 谷川清
設立日:2021年11月30日
事業内容:Staple核酸技術に基づく医薬品等の研究開発
URL:
https://staplebio.jp
今回の資金調達を経て、同社は新たな局面に入ります。より多くの患者に新しい治療法が届くことを期待してやみません。