量子コンピューター接続技術の新展開
近年、量子コンピューターの進化が加速しており、その中でも特に注目を集めているのが中性原子型量子コンピューターです。この技術を活用するために、三菱電機株式会社(以下、三菱電機)と株式会社Nanofiber Quantum Technologies(以下、NanoQT)は、共同で新たな接続技術の開発に取り組んでいます。実証実験は2025年4月から開始される予定で、これにより様々な技術革新が期待されています。
中性原子型量子コンピューターとは
中性原子型量子コンピューターは、原子の束を扱うことで量子ビットを形成し、高度な計算能力を発揮します。特に、光ピンセット技術を用いることで、原子を自在に操作し、構造を組織的に制御できる点が大きな特徴です。しかし、複雑な量子計算を行うためには、効率的に多数の量子ビットを接続し、相互に通信する技術が不可欠です。このため、本実証実験では三菱電機とNanoQTが協力し、これを実現しようとしています。
共同実証実験の具体的な内容
実証実験では、三菱電機が持つ量子ビット制御技術と、NanoQTが開発したYb原子およびナノファイバー共振器を活用した光量子インターフェースの構築を進めます。ナノファイバー共振器は、照射される光子と原子の相互作用を強化し、効率的に量子もつれを生成するための重要な役割を果たします。
このシステムでは、複数のYb原子を組織化して配置し、量子もつれの共有を効率化します。こうして組みつけられたシステムに三菱電機の量子ビット制御技術を組み合わせることで、より高速かつ大容量の量子コンピューター間通信を可能にすることが目標です。
効率的な量子コンピューティングの未来
この技術が実用化されれば、新薬の発見や機能性材料の進化、流体シミュレーションのスピードアップなど, 様々な分野で技術革新がもたらされると期待されます。例えば、気候変動対策や医療分野など、多岐にわたる問題解決に貢献することが可能になるでしょう。
今後の展望
実証実験は2026年3月31日までの予定で、その結果によってはさらなる延長も考えられます。両社は、ナノファイバー共振器を介した量子状態の高効率化と、それを支える制御技術の確立に尽力します。将来的には、分散型の量子コンピューティング基盤を構築し、より広範な産業界での実用化を目指すことになります。
お問い合わせ先
当プロジェクトに関する詳細は、以下の窓口よりお問い合わせください。
〒247-8501 神奈川県鎌倉市大船五丁目1番1号
三菱電機公式サイト
- - 株式会社Nanofiber Quantum Technologies管理部
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田一丁目22番3号
TEL 070-1187-7071
NanoQT公式サイト
以上、量子コンピューター接続技術の今後が楽しみです。両社の技術がどのように結実するのか、注目していきたいと思います。