フィックスターズがAI高速化プラットフォームの機能を強化
株式会社フィックスターズは、AI処理を迅速化するためのプラットフォーム「Fixstars AIBooster」の最新機能を発表しました。この最新バージョンでは、エッジAI推論やAI学習に必須な自律最適化機能が追加され、AI開発の効率が大幅に向上します。
AIBoosterの進化と新機能
フィックスターズは、自社の「AIBooster」をエッジAI推論向けに最適化した新機能を実装しました。エッジAIとは、ローカルデバイス上でAIが推論を行うため、限られた計算リソースの中で最大の性能を引き出すことが求められます。新たに搭載された自律最適化機能では、PyTorchで構築されたAIモデルを対象に、各デバイスが効率的に機能するよう自動変換を行います。
デバイスごとに異なる性能の最適化を自動で行うこの仕組みは、NVIDIA TensorRTに対応しており、NVIDIA製GPU環境における推論処理をスピードアップします。この結果、開発工数の削減が見込め、より早くプロジェクトを前進させることが可能となります。
AI学習のためのハイパーパラメータ自律最適化機能
学習の過程において、設定するハイパーパラメータ(学習率やバッチサイズ)はモデルの精度や効率に直結します。今回追加されたハイパーパラメータ自律最適化機能では、モデル、リソース、ハードウェアを統合的に扱い、最大限の性能を引き出すことを目指します。この機能では、具体的に以下の能力を持っています。
- - 総合的な最適化:モデル精度と学習効率を両立させる
- - ハードウェア制御:CPUコアやGPUの利用状況を自動調整
- - 分散学習対応:大規模環境でも効率的に運用可能
また、最適化の過程で得られる試行データを可視化することで、開発や運用におきな指針を得やすくなっています。
パフォーマンス観測機能のSaaS形式
さらに、最新機能の一つとして、すぐに利用を始められるSaaS形式のパフォーマンス観測機能も追加されました。これにより、GPUサーバーから得たパフォーマンスデータをクラウドに保存し、リアルタイムで視覚化することが可能です。この機能は、マルチクラウド環境や分散サーバーにも対応しており、システム全体の状態を一目で把握することができます。セキュリティについてもフィックスターズが責任を持ち、開発情報を守ります。さらに、オンプレミス環境でも引き続き利用可能です。
NVIDIAとの共催セミナー
最新版AIBoosterに関連したセミナーも開催されます。エッジAI推論向け自律最適化をはじめ、最新GPU技術の利用法について、NVIDIA Japanとの共催でオンラインで行われます。
まとめ
フィックスターズは、「Speed up your AI」という理念のもと、AI技術の進化を推進しています。医療や製造、金融など多様な分野での活用が期待される中、AIBoosterを通じてより効率的なAI開発を支える仕組みが整ってきました。これにより、企業や開発者が次世代AIを駆使する環境が整うことを期待しています。
詳しくは
AIBoosterの公式サイトをご覧ください。