摂南大学と住友ベークライトの革新
最近、摂南大学の理工学部電気電子工学科に所属する西恵理准教授と住友ベークライト株式会社の共同研究が、国内での育児支援技術の新たな一歩を示しました。彼らによって開発された「哺乳センシングデバイス・システム」は、ベビーテックの権威ある賞「BabyTech® Awards 2025-26」で大賞を受賞しました。この革新的な技術がどのように誕生し、育児にどのような変化をもたらすのか、その詳細を見ていきましょう。
研究の背景と目的
近年、育児における科学的根拠に基づいた支援の重要性が高まっています。特に、母乳育児においては、赤ちゃんの吸てつ力や飲み方の特徴理解が大切ですが、これまでは主観的な感覚に頼ることが多かったため、育児の不安を抱える親も多くいました。そこで、西准教授は約10年前に授乳の問題解決に向けたデバイスのアイデアを思いつき、5年前に住友ベークライトと共同研究を開始しました。
哺乳センシングデバイス・システムの特徴
本システムは、赤ちゃんの吸てつ状態を可視化するための新しいセンサデバイスを搭載しています。以下のような特徴があります。
1.
独自素材による柔軟性
住友ベークライトのシリコーンゴム「DuraQ®導電ペースト」を使用し、赤ちゃんに優しい装着感を提供します。高い柔軟性により、安定した波形データの取得が可能です。
2.
計測精度の向上
デバイスを用いて、助産師が赤ちゃんの口に挿入し、「吸てつ反射」を高精度で計測します。吸う力や舌の運動性を客観的に評価できます。
3.
総合的な授乳指標提供
測定結果と「授乳チェックシート」を統合したPCソフトウェアが開発され、データに基づいた的確なアドバイスを受けることができます。これにより、授乳指導が科学的に行われます。
受賞の意義
今回の受賞は、科学的根拠に基づく育児支援の実現と、親子の心理的な安全性の向上が評価されたものです。審査委員からは、「哺乳に難しさを抱える赤ちゃんの課題解決に非常に有用」とのコメントが寄せられ、このシステムが育児に新たな視点を提供する期待が寄せられています。
医療的エビデンスと未来
慶應義塾大学医学部の監修のもと実施した調査では、デバイスを利用することにより保護者の「授乳への自信度」が約30%向上したことが確認されました。これは、育児に対する不安軽減に寄与し、母乳育児支援のツールとしての機能性を示しています。
西准教授の想い
西准教授は、自身の授乳期の経験からデバイスの開発を志しました。「技術と医学の融合を通じて、育児支援の課題を解決する一助となることを目指しています」と彼女は語ります。このように、摂南大学と住友ベークライトの共同研究は、未来の育児環境をより良くするための重要な一歩となるでしょう。
まとめ
「哺乳センシングデバイス・システム」は、育児支援の新たなマイルストーンとなる技術です。今後も、科学と技術を結び付けることで、親子の育児がより安心で快適なものとなることが期待されています。この素晴らしい取り組みを通じて、育児に関するさらなる革新が起こることを心から願っています。