ヤングケアラー支援
2021-05-11 10:00:08

神戸市が先導する「ヤングケアラー」支援プロジェクト、その実態と取り組み

神戸市が始める「ヤングケアラー」支援プロジェクト



近年、家族の介護をしている若者たちを指す「ヤングケアラー」が社会問題として浮き彫りになっています。これらの若者は、親や兄弟、高齢家族の世話に多くの時間を費やし、就学や進路に深刻な影響を及ぼすことが少なくありません。最近、神戸市がこの課題に着目し、ヤングケアラーを支援するプロジェクトを立ち上げました。

ヤングケアラーの実態調査



厚生労働省と文部科学省の実施した調査によると、全国の公立中学・高校生約12,000人を対象にしたところ、中学生の5.7%、高校生の4.1%がヤングケアラーであると判明しました。この数字は、ケアを必要とする家族がいる子どもたちが、どれほど多く存在しているかを示しています。

特に神戸市においては、2019年に発生したある悲劇的な事件を受けて、地域社会が抱える問題としての認識が高まりました。この事件は、21歳の女性が高齢者を介護しきれずに悲しい結末を迎えたものであり、このことがヤングケアラーの支援の必要性を痛感させました。2020年には、ヤングケアラーに対して支援を行うプロジェクトチームが発足し、具体的な取り組みが始まりました。

プロジェクトチームの取り組み



神戸市のプロジェクトチームは、まず市内の地域包括支援センターと協力し、ヤングケアラーの実態についての調査を行いました。この調査では、70件以上の具体的事例が集まり、支援が必要な子どもたちの状況が明らかとなりました。

具体的な課題



調査結果から見ると、当事者の多くが相談先を知らない、また孤立していることが問題であることが分かりました。身近に同じ境遇の友人が少なく、相談できる人がいない彼らの苦悩は、解決策を見つける上での障害となっています。これらの情報は今後の支援施策において重要な指針となります。

取り組みの進展



神戸市では2021年度から新たに「こども・若者ケアラー支援担当課長」を配置し、専任の相談員が相談窓口を設置しました。この窓口では、若者たちが気軽に相談できる場を提供し、カウンセリングや情報提供を行います。また、学校や福祉、教育分野の専門家を対象に研修を実施し、ヤングケアラーへの理解促進に取り組みます。

交流の場作り



さらに、神戸市は当事者同士の交流や情報共有の場も設ける予定です。これは、彼らが自分の状況を語り合い、共感できる友人と出会える機会を提供するものです。具体的には、市内のNPOと連携して、交流イベントなどを企画し、年齢を問わない参加を促します。

将来的な展望



これからの取り組みとして、神戸市は「孤独」や「孤立」といった観点でも施策の充実を図っていく考えです。ヤングケアラーに限らず、様々な困難に直面する子どもたちを支援するために、ネットワーク作りも重要な課題となっています。

このプロジェクトは、子どもたちがより良い環境で成長することを目指します。地域社会が一丸となって、この新しい取り組みを支えていくことが求められています。最終的には、ヤングケアラーたちが安心して生活できる社会の実現につなげたいと考えています。

会社情報

会社名
神戸市
住所
兵庫県神戸市中央区加納町6丁目5-1
電話番号
078-331-8181

関連リンク

サードペディア百科事典: 兵庫県 神戸市 子ども ヤングケアラー

Wiki3: 兵庫県 神戸市 子ども ヤングケアラー

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。