データサイエンティストのスキルチェックリストver.6が発表
データサイエンティスト協会に所属するスキル定義委員会は、2025年度版の「データサイエンティスト スキルチェックリストver.6」を11月25日に開催された12thシンポジウムで発表しました。この新しいチェックリストは、データサイエンティストに求められるスキルを全面的に見直し、更新したものです。
改訂の背景と主なポイント
2023年に公開された第5版をベースに、現代のビジネス環境に直面する課題を反映させる形で全面的に見直されています。改訂のポイントとして、以下が挙げられます。
1. ビジネス力の再定義
従来のビジネス力が、価値創造力へと刷新されました。データサイエンティストは単なる分析者から、価値創造のリーダーとしての役割が期待されています。具体的には、課題の再定義や意味設計、社会実装、ガバナンス、スケール展開などが体系的に整理されました。
2. 融合スキル群の導入
データサイエンス(DS)とデータエンジニアリング(DE)の境界を超えるAI実装スキルが新たに設けられ、様々な横断領域(生成AI、IoT、AI・データガバナンスなど)を統合したスキルの表現がなされました。実務の中で最も求められるDS×DE×ビジネス(BZ)の混成スキルが整理されています。
3. 基盤スキルの新設
論理的思考や行動基盤、システム・データ理解、AI基礎理解など、全データプロフェッショナルが共通して持つべき基盤スキルが再定義されました。これにより、データサイエンティストとしての基本的な能力が明確化されます。
4. AI利活用タスクリストの全面刷新
後日正式に発表されるこのタスクリストは、最新の技術を取り入れた内容に刷新されます。
全体として、チェックリストに含まれる項目は650から845に増加しました。この点からも、データサイエンティストに求められるスキルセットが拡充されていることが分かります。
今後の展望
さらに、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)との共同で、ITSS+の「データサイエンス領域」におけるタスクリストの更新も行われています。これにより、新たな「2025年版タスクリストver.5」もまもなく発表される予定です。
データサイエンティスト協会は、2014年に「ミッション、スキルセット、定義、スキルレベル」を発表して以来、この職業の成長と環境整備に尽力してきました。来年度のデータサイエンティスト検定も、この新しいチェックリストを基に実施されます。
ダウンロード情報
「スキルチェックリストver.6」は、公式ウェブサイトからダウンロード可能です。また、シンポジウムでの発表資料も同様に提供されています。
データサイエンティスト協会について
データサイエンティスト協会は2013年に設立され、データサイエンティストに求められるナレッジとスキルの定義、実態調査、情報発信等を行っています。業界発展に向けて約21,000名の個人会員と110社の法人会員が参加しており、活発に優れたデータプロフェッショナルの育成に取り組んでいます。
所在地は東京都港区六本木です。