医療DX推進の実態と課題
株式会社エムステージによる調査結果が発表され、医療現場におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進状況が明らかになりました。470名の医師を対象に実施されたこのアンケートは、DXの恩恵が実際にどのように医療の現場に影響を与えているのかを検証しています。
調査の背景
医療DXが今後ますます重要視される中、2026年度の診療報酬改定では、その役割が中核として位置づけられています。エムステージは、医師が求める本質的なニーズと、実際にDXが現場でどのように推進されているのかを把握する目的で調査を実施しました。
調査結果の概要
1.
DXの恩恵はわずか1割
調査の結果、医療DXが現場で「十分に進んでおり、恩恵を感じる」と回答した医師はわずか1割にとどまりました。約半数の医師が「ほとんど進んでいない」と回答しており、DX導入に必要なインフラ整備の遅れが浮き彫りとなりました。
2.
ツール導入の二極化
デジタルツール導入による事務作業の短縮を実感している医師は約半数に上る一方で、残りの半数はその効果を感じていないという二極化が見られます。これにより、労働環境の改善におけるDXの限界が指摘されています。
3.
患者との向き合う時間の不足
患者との向き合う時間が増えたという医師は約2割にとどまり、デジタルツールの導入だけでは患者との対話を増やすことが難しいという実情が浮かび上がりました。この点に関しては、医療の質にも影響が出る可能性があります。
4.
期待される時間の活用
DXにより得られた時間は多くが「自身の休息」に充てられ、次いで「研鑽」や「対話」に向けられることがわかりました。つまり、医師たちは余暇を持ちながらも、専門業務にも取り組む意欲を持っていたのです。
5.
医師業務のデジタル移譲に期待
約4割の医師が、DXは「医師でなくてもできる業務のデジタル移譲」に関するものであるべきだと考えています。このように、業務を簡素化して医師の負担を軽減することがDXの本質として求められています。
6.
専門業務に専念できる環境への期待
2026年度の診療報酬改定が医師の専門業務に良い影響を与えると期待している医師は約6割に達しています。制度改定が医療環境に与える影響について、医師たちは大きな期待寄せています。
7.
転職時の重要ポイント
転職を考える際、約9割の医師は「専門業務に専念できる環境」を重視すると回答しました。医師の採用や定着を図るには、整った環境を整えることが不可欠だといえます。
結論
医療DXは今後の医療現場において重要なテーマであり、その進展は医師の働き方や患者との関係に大きな影響を及ぼすことが予想されます。今回の調査を通じて明らかになった課題を解決するために、今後もDXの推進が求められます。医療の質向上につながるための取り組みが期待されます。