阿部野氏のインタビュー
2024-11-21 12:07:27

アジア市場での成長を志向する阿部野育三氏のインタビュー

阿部野育三氏のインタビュー



一般社団法人アジア家具フォーラムの代表理事であり、株式会社東洋ファニチャーリサーチの社長を務める阿部野育三氏にインタビューを行い、彼の経営哲学やアジア市場へのアプローチについて伺いました。特に、11月20日に東京で開幕した「アジア・ファニシング・フェア2024」について話を聞きました。このイベントには、345のブースに147のブランドが出展しており、その中には中国の大手家具メーカーも含まれています。阿部野氏の指導の下、アジア市場における日本の家具の位置づけと、フォーラムの影響力の源泉が明らかになりました。

アジア市場を見据えた発展戦略



阿部野氏によれば、株式会社東洋ファニチャーリサーチは、1968年に彼の父によって広島で設立されました。当初から家具・インテリア業界に特化しており、その成長に寄与しました。父の事業を引き継いだ阿部野氏は、アジア市場への進出を目指しています。彼は競技スポーツに例え、自国の成果に満足せず、アジアという広い舞台での勝負を模索しています。「国内での成果に満足せず、オリンピックには出られなくてもアジア大会には出場できるレベルを目指す」というのが彼の経営理念です。

2003年から2007年にかけて、彼はマレーシア家具産業促進局から日本の首席顧問として任命され、その際にアジア市場への本格的な注目を始めました。また、同社が発行する『ルームファニシング』という情報誌は、55年の歴史を持ち、業界内での情報の供給の重要性を示しています。これは業界関係者に対する信頼性と実用性に重きを置いています。

行動力で日中交流の道を拓く



彼の中国との関係は1997年が始まりでした。その年に彼は初めて中国を訪れ、そのきっかけは大連の企業が彼が作成した家具企業要覧を購入したことでした。以降、彼は中国との交流を深め、特にその文化や人々の親切さに感銘を受けました。「広結善縁」という言葉に出会い、それは彼の価値観に強く響き、座右の銘となりました。

2012年、河村建夫氏が団長を務めた訪中団に同行した経験から、彼は中国での交流の重要性を再認識しました。大連での活動中、元政府関係者がビザの問題で足止めされるというトラブルに遭遇も、無事に入国して活動を続けることができたのは、交流の意義があらためて感じられた瞬間でした。

アジア市場の潜在力を共に発掘する



アジア家具フォーラムは、日本を含む7カ国の企業が参加しています。阿部野氏は、アジア市場を一つのマーケットとして捉え、人と人との直接の交流の重要さを強調しています。「人・モノ・金」が重要で、「人」が最も大事だと述べています。会員互いの信頼が強固な協力関係を築き、メンバー同士が助け合う姿勢こそがアジア家具フォーラムの強みといえます。

近年、中国の一人暮らしやコンパクトな住居の取り組みが進む中で、日本の家具がどのように利用されるかは重要な課題です。阿部野氏は物流の課題に取り組んでおり、パーツを分解して輸送し、日本の職人が現地で組み立てる方式を模索しています。このアイデアが実現すれば、日本の高級インテリア製品が中国市場に進出しやすくなると期待しています。アジア市場の将来に対して熱いビジョンを持つ阿部野氏の発言からは、彼の目指す企業精神とアジア全体の発展への意欲が強く伝わってきました。


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