S2WとKAISTの新たな挑戦
ダークウェブのビッグデータ分析を手掛けるS2W(代表:徐尚徳)が、韓国科学技術院(KAIST)とのコラボレーションによる研究論文が、国際的なセキュリティジャーナル「Computers & Security」に掲載されることが発表されました。この論文は、「ネットワーク侵入の根本原因究明フレームワーク」と題され、新しいセキュリティ分析手法を提案しています。
研究の意義と取り組み
本研究の独自のアプローチは、オントロジー、知識グラフ、推論エンジンという3つの要素を組み合わせている点です。これにより、セキュリティ事故の根本的な原因を特定するための構造的なフレームワークを提供することが可能になりました。特に、過去の研究が異常兆候の検知に重きを置いていたのに対し、S2Wはその先、つまり「なぜその異常が発生したのか」に焦点を当てています。
技術的な特徴
このフレームワークでは、以下の3つの点が重要な特徴とされています:
1.
知識グラフによるイベントのモデリング:さまざまなシステム状態やイベントを知識グラフ形式で表現し、その関連性を視覚化することで解析基盤を形成しています。
2.
確率論理に基づく推論エンジン:従来のAIでは判断過程が不透明であったのに対し、確率論理を用いることで、説明可能で定量的な分析が可能になります。これにより、根本原因を明確に導き出せるようになります。
3.
ドメインオントロジーの活用:セキュリティに特化したドメインオントロジーを用い、判断過程をユーザーに対して透明に提示します。
「ブラックボックス」からの脱却
多くのAI技術はその判断過程が「ブラックボックス」となっており、その理由を説明できないという課題がありました。しかし、S2Wの研究により、この課題に向き合った結果、透明性の高い判断過程が実現されつつあります。これにより、結果への理解を深め、意思決定の質を高めることができるでしょう。
未来への展望
S2Wの主任研究員であるイ・スンヒョン氏は、今後も公共機関や民間企業において、進化するサイバー脅威に効果的に対処できるよう、技術研究とプラットフォームの向上に貢献し続ける意向を示しました。これにより、サイバーセキュリティの分野でのより高い安全性が期待されています。
S2Wについて
2018年に設立されたS2Wは、2023年には世界経済フォーラムの「最も有望なテクノロジーパイオニア100社」の1社に選ばれ、国際的にもその存在感を示しています。2020年には国際刑事警察機構(ICPO)とパートナーシップを結び、国際的な安全保障の強化に寄与しています。また、2024年からはマイクロソフトとの協力関係を強化し、技術提供を行う予定です。
S2Wが提供する製品には、公共機関向けのサイバー犯罪捜査ビッグデータソリューション「XARVIS」、民間企業向けのサイバー脅威インテリジェンスソリューション「QUAXAR」、さらには産業用生成AIソリューション「SAIP」があります。これらのソリューションがより安全なデジタル環境の実現に貢献することを期待しています。
まとめ
S2WとKAISTによる論文の採択は、セキュリティ技術の発展において重要なマイルストーンといえます。この成果がさらなる研究や実装につながり、サイバー空間の安全性が高まることを願っています。