ニチレイフーズのデジタル革命
福岡県宗像市にある株式会社ニチレイフーズは、2023年4月、同社の「キューレイ第三工場」において独自のデジタル帳票システム「NDPS(Nichirei Digital Paperwork System)」を導入しました。これは、スマートファクトリーの一環として行われた施策であり、紙の帳票をデジタル化することに成功しました。
ペーパーレス化の成果
この「NDPS」の導入により、年間約2万8千枚の紙帳票が不要になるとともに、工場内での業務効率も大幅に改善されました。従来、帳票の印刷や生産ラインへの配布、記録後の集約作業などに、1日あたり1時間30分以上、さらに年間で300時間以上の時間が費やされていましたが、これが劇的に削減され、効率的な生産体制が確立されました。
連携システムの役割
更に「NDPS」は、二つの既存システムとの連動を通じてその効果を高めています。一つは、AIを活用した「最適生産・要員計画立案システム」で、これは自動生成された生産計画に基づいて必要な帳票を自動で出力します。この機能により、人為的なミスが防止され、非常に効果的な業務運営が実現されています。
もう一つは、生産管理をサポートする「PAS(Production Assistance System)」です。このシステムは、原材料の流れや各工程での加工記録をデジタル化し、さらに工場内に設置されたカメラと連携しています。この結果、遠隔からリアルタイムでのデータ管理が可能となり、トレース機能が強化されています。これにより、トラブルが発生した際にも迅速に状況を把握できるようになりました。
スマートファクトリーへの道
ニチレイフーズでは、「スマートファクトリー」の概念を掲げ、AIやロボティクスを活用した省人化や廃棄物の削減、さらには標準化とITシステムによる作業の効率化と属人化の排除、データの利活用による改善サイクルの高速化を目指しています。この「NDPS」の導入も、その一環として位置付けられています。
今後もニチレイフーズは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を通じて、持続可能で効率的な生産体制の確立を目指すでしょう。さらなる改革の流れに期待が高まります。