ワオ高校の挑戦
ワオ未来学園が運営するワオ高等学校は、実践的な学びと自由な発想を大切にした教育を提供しています。2021年に岡山県岡山市に開校し、通信制高校として全国の生徒とつながるプラットフォームを構築。ここでは、学びを通じて自分の個性を見つけ、成長する学生たちの姿が見られます。
今号の「活動ダイジェストvol.10」では、特に注目すべき生徒の体験を取り上げます。それは、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」プログラムに選ばれた3年生のなつきさんです。彼女はこのプログラムを通じて、夏にドイツでの留学を実現しました。このプログラムには全国から約2000名が応募しており、厳しい選考を通過することが求められます。
打ち込んだ思いはしっかりと実を結び、なつきさんは自らの探究テーマをもってドイツでの経験を積むことができました。
「プレーパーク」という子どもたちの遊び場に焦点を当て、そこでの実習を通じて、教育と遊びの関係について学ぶ姿勢を身につけてきたのです。
1. 書類審査の壁を突破
選考過程において、なつきさんは何度も作文を書き直しました。ワオ高校の教員からのアドバイスを受け、自身の志望動機や留学先でやりたいことを明確にすることで、1次選考を通過しました。その後の面接では、普段のボランティア活動と同じ服装で臨みましたが、緊張のあまり感極まって涙があふれた確率もあったと言います。しかし、その真剣な姿勢は面接官にしっかりと伝わり、最終的には合格の通知を受け取ったのです。
2. 受け入れ先との出会い
ワオ高校での留学プログラムの特色は、生徒自らが受け入れ先を探さなければならない点です。なつきさんもインターネットでの情報収集を始め、語学学校を見つけました。留学先での生活は、異文化交流の中で貴重な経験をもたらしました。文化の違いから喧嘩になることもありましたが、異なった背景を持つ人々とのコミュニケーションの重要性を学んだそうです。
3. プレーパークとの出会い
ドイツでのインターンシップは、なつきさんにとって重要な学びの場となりました。ドイツでも子どもたちが遊ぶ場が減少しており、
プレーパークがその役割を担っています。彼女の取り組みはドイツの新聞でも取り上げられるほど注目され、日本とドイツの遊びの文化の違いに人々の関心を集めました。なつきさんは、この経験を通じて遊びに対する寛容さを目の当たりにしました。日本では過保護になりがちな子どもたちも、ドイツでは自己責任で少々危険な遊びを楽しむ姿に驚きを隠せなかった様子です。
4. 留学成果を生かして
ワオ高校に戻ったなつきさんは、得た知見を全校集会で生徒たちに伝えました。彼女の経験は、他の生徒たちにとっても貴重な道しるべとなりました。これから彼女は、今回の探究成果を生かし、総合型選抜入試への挑戦を控えています。ワオ高校は、生徒たちが自分なりの未来を切り拓くためのサポートを続けています。御校の理念やビジョンに基づき、豊かな教養と正しい心を育むことを目指しています。
教育理念と未来の展望
ワオ高等学校では、
哲学を学ぶことの重要性を強調しています。多様性が求められる現代の社会では、正解が与えられることはほとんどありません。そのため、哲学的な思考を重ねながら多角的に物事を捉える力を養うことが重要です。生徒たちは、対話や議論を通じて思考を深め、主体的に考える力を養っています。
オンラインとリアルが融合した学びを通じて、全国の生徒がともに成長していく環境が整えられています。これからもワオ高校は、多様性を重んじつつ、生徒それぞれが直面する挑戦に立ち向かっていくことでしょう。