AIを活用した設備モニタリングアプリ「FAST-D」により水道インフラの維持管理が革新

AIと音響技術で水道インフラを守る



Hmcomm株式会社が、山形県企業局と共同で新たな取り組みを開始しました。その名も「FAST-D」。このアプリはAIを駆使し、設備の稼働音をモニタリングして異常を検知するものです。この取り組みにより、遠隔地にある送水ポンプの状態をリアルタイムで把握できるようになり、老朽化が進む水道インフラの維持管理が新たな段階に進むことが期待されています。

背景と課題



日本の水道インフラは、特に高度経済成長期に整備されたものが多く、老朽化が進んでいます。故障や事故のリスクが高まっており、その管理は大きな社会的課題となっています。しかし、現状では人手不足やコスト面から頻繁な点検が難しく、故障の兆候を見逃すことが多いのです。また、大型ポンプの点検には高額な費用がかかるため、その計画策定も容易ではありません。

Hmcommは、これらの課題を解決するため、「FAST-D」による新しい手法で送水ポンプの状態を常時監視し、メンテナンスの最適化を図ります。

FAST-Dの技術的特徴



1. 稼働音の常時モニタリング



「FAST-D」はポンプが発する音をリアルタイムで監視します。AIが外れ値検知モデルを自動作成し、異常の小さな兆候を逃さずキャッチ。このシステムにより、月に一度の巡回点検ではカバーしきれないトラブルを未然に防ぎます。特に遠隔地に設置されたポンプでも常に状態を確認できるため、迅速に異常を通知することが可能です。

2. 最適なオーバーホール時期の確定



大型ポンプのオーバーホール(OH)は、数百万円以上の高額な維持管理費がかかります。「FAST-D」のデータを基にしています。実際の条件に応じて適切な時期にメンテナンスが行われ、過剰な支出を抑えることができるでしょう。

3. 将来的な漏水検知技術への展開



Hmcommは「FAST-D」の技術をさらに進化させ、水道管の漏水検知技術への応用も視野に入れています。ポンプと管路の両面での総合的な監視により、水道インフラの保全を徹底的に実現することが目標です。

期待される効果



「FAST-D」の導入により、維持管理コストの削減が見込まれます。故障が発生してからの緊急対応を減少させ、計画的なメンテナンスを実施できるため、安定供給を強化し、断水リスクを低減することが可能です。さらに、迅速な異常発見により被害拡大の防止にも寄与するとともに、将来的な漏水検知へとつなげる技術の深化を計画しています。

今後の展望



この取り組みが成果を上げれば、他の自治体や水道事業者への展開も視野に入れ、全国的な発展を目指します。技術向上を続け、持続可能な水資源の活用とインフラの長寿命化に貢献できるよう努めます。

Hmcomm株式会社の新たな挑戦は、音響AI技術で水道インフラの革新を促す重要なステップとなります。引き続き注目していきたい取り組みです。

会社情報

会社名
Hmcomm株式会社
住所
東京都港区芝大門2-11-1富士ビル 2階
電話番号

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。