将来への不安が広がる日本の生活意識調査結果の深層

日本社会の未来を映す意識調査

日本労働組合総連合会（連合）が実施した「社会保障に関する意識調査2025」の結果が発表され、全国の働く男女1,000名を対象に将来への不安や社会保障制度に対する考えを調査しました。この結果、66.7%の人々が将来への不安を感じていることが分かりました。また、特に60代以上の女性においてはその割合が75%にも上るとのことです。

不安の要因

調査によると、将来の不安を感じる理由として最も多かったのが「老後の生活」で、57.3%がこれを挙げています。次いで「預貯金など資産の状況」が51.6%と、半数を超える人々がこの二つの要因に不安を抱えていることが明らかとなりました。これにより、現在の社会保障制度に対する信頼が薄れていることが伺えます。

年齢別の意識

特に注目すべきは、40代と50代男性において「現在の生活に対する不満」が「満足」を上回っていた点です。40代男性では50.5%、50代男性では52.7%が不満を感じているとのことです。このような結果からも、働く世代において生活満足度が低下していることが浮き彫りになっています。

また、将来の不安を感じる人に対し、「自身の健康状態」や「家計のやりくり」、「年金制度」に対する懸念もあり、健康や経済的な不安が多数を占めています。

理想とする社会像

調査の一環として、どのような社会を理想とするかも問われました。その結果、「緩やかな成長でも格差の小さい社会」が62.3%に達し、対照的に「格差はあっても力強く成長する社会」を望む意見は10%以下となりました。これは、持続可能な社会保障や安定した生活環境を求める声が強まっていることを示しています。

医療や介護制度への懸念

医療制度や介護制度についても大きな懸念が表明されています。調査では、患者の自己負担や医療保険料の将来についての不安が44.9%に達し、多くの人が医療制度の持続性について疑問を持っています。この他、介護制度においても、自己負担や保険料に関する不安が高まっている状況です。特に、家庭内での介護と仕事の両立が出来るかという懸念が多く、過去の調査と照らし合わせて見ても、介護と仕事の問題は深刻な社会課題といえるでしょう。