急増する短期集中治療の歯科医院とその背景とは

短期集中治療が人気を集める理由とは

近年、短期集中治療を掲げる歯科医院が急速に増加しています。その背景には、コロナ禍による生活様式の変化やSNSなど情報メディアの影響があります。具体的にどのような影響があり、それが患者のニーズにどう結びついているのかを探ってみましょう。

コロナ禍による生活様式の変化

まず、パンデミック以降、多くの人々が在宅勤務をするようになり、日常生活のリズムが大きく変化しました。在宅勤務が普及することで、通院するための時間や移動負担が軽減された一方で、外出するタイミングが限られることにもつながっています。このような環境下では、できるだけ通院の回数を減らすために、短期間で歯科治療を終わらせたいというニーズが高まるのは自然な流れです。

SNSの影響で変わる歯科治療への意識

さらに、SNSや動画メディアの発展も、治療に対する関心を変えてきました。患者同士の体験談や治療のビフォーアフターが日常的にシェアされることにより、
「本来治療にどれだけの時間がかかるのか？」を患者が比較しやすくなりました。これにより、無駄な長期通院を避けるという価値観が強化されています。

若い世代の台頭

特に顕著なのが、短期集中治療を利用するのがこれまで40〜50代が中心だったのが、2023年に入り、20代の利用者が増加したという点です。実際、当院では若い世代の患者が500％も増加しています。Z世代を中心に、タイパ（タイムパフォーマンス）を重視する意識が高まっており、再発のない短期間での治療を望む声が多くなっています。

かつては「行きたくない場所」とされていた歯科医院も、今では「早く治した方が良い」という認識が広まりつつあります。特に若者の健康意識の高まりにより、早期治療や予防管理の重要性が今後さらに注目されるでしょう。