みょうじなまえの個展「In the Room」
みょうじなまえは1987年兵庫県で生まれ、2022年には東京藝術大学院を自主退学した後も、女性の身体やアイデンティティにまつわるテーマを探求し続けています。彼女の作品は、自身の経験から生まれたナラティヴを通じて現代社会の中の多様な価値観を照らし出します。
展覧会の背景
みょうじなまえが開催する個展「In the Room」では、彼女の過去の体験、特に思春期に閉じこもっていた頃の記憶に基づき、観客を「その部屋」から広がる世界へ導くことを試みています。この展覧会のコンセプトは、彼女が「部屋」から動き出すプロセスと、現代社会における対話を模索するものです。
みょうじは、「私の作品には、おもちゃや家庭内の物の形を用いたものが多い」と語ります。これは、彼女自身にとってリアルな空間が家の中だったからに他なりません。彼女は長い間自分の部屋に閉じこもる生活を送り、その静寂な時間は時に豊かで、時には失われていくものもありました。
展示される作品群
「In the Room」では、様々な新作を含むインスタレーションが展示されています。作品は目には見えない社会の境界や暴力を意識的に解体し、私たちのナラティヴを取り戻すプロセスが見て取れます。観客は、彼女の制作した作品を通じて、自身のアイデンティティや社会構造について考える機会を与えられます。また、彼女の作品は自分自身の輪郭を再確認するための「蘇生の軌跡」とも言えるでしょう。
例えば、《Alter Dominant》は映像インスタレーションであり、生成AIや印刷物、様々な素材を駆使して作られています。また、《バベルとユートピア》という作品は、文化や社会的な目線から見たアイデンティティの多様性を表現しています。このように現代社会におけるジェンダー問題やアイデンティティの形をフラットに解体し、再構築する試みが行われています。
みょうじなまえのメッセージ
展覧会を通じてみょうじは、「現代におけるアイデンティティや社会通念は、私たちの生活や安全に影響を与える一方で、自己と他者の境界を形作る重要な要素でもある」と強調します。彼女は、そういった境界線に意識的に触れることで、現代人が抱える様々な問題に対する理解を求めています。
「In the Room」は、ただのアート展示ではなく、社会への批評であり、共に考える機会でもあります。是非、この機会に彼女の作品を通じて、現代社会の複雑さや多様性を感じ取ってみていただければと思います。展覧会は2025年12月6日から12月21日、さらに2026年1月8日から1月11日までの間に開催されます。
展覧会詳細
- - 会期: 2025年12月6日(土) - 12月21日(日)、2026年1月8日(木) - 1月11日(日)
- - 開館時間: 13:00 - 19:00 (木〜日)
- - オープニングレセプション: 12月6日(土) 18:00 - 20:00
- - 会場: island JAPAN. 東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F
新しい視点から現代アートを楽しむ貴重な機会です。ぜひお見逃しなく。